
遺言書は、ご自身の思いを大切なご家族に確実に伝えるための重要な書類です。
しかし、こんな疑問や不安を抱えていませんか?
- いつ書き始めるのがい良いのか(タイミングは?)
- どんな書き方をすれば有効となるのか
- 法務局での手続きは必要か
- 法務局の保管制度を利用した方がいいのか
- 無効になる場合があるって聞いたけど、作成した遺言書に効力があるのか
実際、遺言書は「思い」を伝えるだけではなく、相続のトラブルを防ぎ、家族の将来を守るための法的効力を持つ重要な書類です。
✔️ 子どもたちに“争ってほしくない”と願う方
✔️ 相続で親族関係が壊れた経験がある方
✔️ 書いておきたいことがあるけど、どう書けばいいかわからない方
✔️ 老後の整理を始めたい方
✔️ 一人暮らしで、身寄りが少ない方
南本町行政書士事務所では、専門家が法律に沿った有効な遺言書の作成をサポートし、将来への安心をご提供しています。
来所・オンライン相談、いずれも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
遺言書の効力
遺言書には次のような法的効力があります。
- 財産の分け方を指定できる
- 遺産分割協議を省略できる(原則)
- 相続トラブルを未然に防げる
- 相続人以外の人(内縁の妻・友人・団体など)に財産を渡せる
ただし、法律で定められた「遺留分」を侵害すると一部無効になることもあり、正確な作成が必要です。
遺言内容の実現可能性
遺言書に何を書いてもいいのでしょうか?ー遺言内容の実現の保障の対象は何かー
どのような内容を書いても基本的に問題ないのですが、遺言書に記された内容が法的に実現される(保障される)のは以下に関する事項です。
- 相続に関すること
・相続人の廃除・取り消し(民法893条、894条)
・相続分の指定・指定の委託(民法902条)
・遺産分割方法の指定・分割禁止(民法908条)
・遺産分割における担保責任に関する別段の意思表示(民法914条)
・遺留分減殺方法の定め(民法1034条但書) - 相続以外による財産の処分に関すること
・遺贈に関する事柄(民法964条等) - 身分関係に関すること
・遺言による認知(民法781条第2項)
・遺言による未成年後見人・未成年後見監督人の指定(民法839条第1項、848条) - 遺言の執行に関すること
・遺言執行者の指定(民法1006条第1項等)
遺言書作成に関する記事
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自筆証書遺言書保管制度
2020年(令和2年)7月10日より、自筆証書遺言書保管制度が開始されています。
これはご自身で作成した通常の普通遺言書(自筆証書遺言)を国の管理する法務局に預けることができるという画期的なサービスです。
これまでは、自宅や貸金庫に遺言書を保管するのが一般的でしたが、紛失や改ざん、そもそも遺言書が発見されない等というリスクがありましたので、この制度を利用することにより、国が遺言書を保管していることで、相続人がスムーズに遺言書を確認できるようになります。
制度活用のメリット
この制度のメリットについて、法務省のホームページでは次のように書かれています。
- 遺言書を法務局に預けることにより遺言書の紛失を防ぎ、利害関係者による遺言書の破棄・隠匿・改ざん等を防ぐことができるようになります。
- 相続開始後、家庭裁判所における検認が不要となり、相続がスムーズとなります。
- 遺言書の閲覧などの情報が記録され、必要に応じて開示・通知されますので、透明性が保たれます。すなわち誰が閲覧したかがわかってしまうということです。ただし、これは遺言者の死亡後のはなしです。
また、遺言書が保管されているかどうかの確認の為に遺言書保管事実証明書の交付を請求することができます。
※遺言書の閲覧・写しの請求は遺言者が生きている間は遺言者のみです。
遺言者が亡くなったあとにはじめて相続人・受遺者・遺言執行人・その他の利害関係人が閲覧、写しを請求することができます。
※遺言書保管事実証明書は、遺言書が「保管されている」という事実のみを証明する書類です。遺言の内容までは開示されません。 - 遺言者はあらかじめ「通知者(通知先)」を指定することができ、自身の死亡後、法務局からその通知者へ遺言書が保管されている旨(すなわち遺言者の死亡の事実)が通知されます(通知先へ遺言者の遺言保管通知が送られる)。これにより遺言の存在が速やかに把握され、相続がスムーズに行われるようになります。
※ただし、遺言者の死亡を法務局が自然と把握することはなく、利害関係人による遺言者の死亡を証明する書類(除籍謄本など)が提出されたことによってはじめて法務局は遺言者の死亡を把握します。
| ・遺言書が紛失・改ざんされない ・家庭裁判所の「検認」が不要になる ・本人確認や書式チェック(形式の確認)がされるので、形式上の不備を防げる ・全国どこの法務局からでも検索・確認が可能 |
利用できる遺言の種類
自筆証書遺言のみが対象
(公正証書遺言や秘密証書遺言は対象外)
保管手数料
法務局に遺言書を保管するための手数料は3,900円かかります。
保管制度利用のための手続き
上記、法務局での自筆証書遺言書保管制度を利用するために遺言を書こうとする遺言者の手続きは以下のとおりです。
- まずご自身で自筆証書遺言書を作成する
法律が求める方式で作成しなければならないので、注意が必要です。ここは行政書士等の専門家にアドバイスをもらって書いてください。 - 保管所(預けるべき法務局)を選択する
①遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所
②遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所
③遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所
※だいたい①②のいずれかになります。
→いずれかを管轄する法務局へ出向きます(代理人申請は不可です) - 遺言書を預ける法務局に出向き遺言書の保管申請書を作成、提出する
→保管申請には予約が必要です(スムーズに進みます) - 遺言書を預けた法務局から保管証を受け取る
※保管が完了すると「遺言書保管証」が交付されますので必ず受け取ってください。
遺言書の保管をやめたい場合
法務局へ保管の申請をして、保管してもらったけど、やっぱり保管は要らないと考えた場合、どうすればいいでしょうか。
- 遺言書を預けた法務局である遺言書保管所を確認する
- 遺言書の保管の申請の撤回書を作成する、提出する
→遺言書の保管撤回には予約が必要です - 遺言書を預けた法務局から遺言書を返してもらう
死後の手続き
法務局に遺言書を保管してもらった場合、その後の手続きはどのようになるのでしょうか。
- 相続人が遺言書保管証を発見することで、遺言の存在を把握。
- 相続人・受遺者・遺言執行人・その他の利害関係人は、遺言者の死亡後に法務局で遺言書を閲覧(モニター閲覧)・写し(遺言書情報証明書)を取得できます。
→このとき、法務局は他の相続人に「誰が閲覧・写しを請求したか」を開示・通知できます。 - 保管制度を利用した遺言書は家庭裁判所の検認が不要となります。
- 遺言の内容をそのまま執行することが可能となります。
保管制度の注意点
法務局による遺言書の保管は大変メリットがある制度ですが、デメリットとまではいきませんが注意点があります。
- 遺言の内容の有効性(実質的な内容の有効性)はチェックされません。
- 保管料がかかります(1通3,900円)。
閲覧・証明の請求にも手数料がかかります。 - 保管後に遺言を変更・撤回したい場合は、改めて遺言書を作成し、保管の申請をする必要があります。
自筆証書遺言保管制度の手数料一覧
| 区分 | 手数料 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 遺言書の保管申請(新規) | 3,900円 | 1通につき。法務局の窓口で申請し、保管される。本人が出頭する必要あり。 |
| 遺言書の閲覧(モニター閲覧) | 0円(無料) | 法務局の専用端末で閲覧可能(コピー不可)。予約必要。閲覧記録が残る。 |
| 遺言書の閲覧(原本閲覧) | 1,400円 | 紙の原本を閲覧。写し不可。保存状態の確認等に利用される。 |
| 遺言書の写しの交付(証明書付き) | 1,400円 | 相続人などが死亡後に請求可能。内容を確認したい場合に利用。 |
| 遺言書保管事実証明書の交付 | 800円 | 保管の有無だけを証明する書類。内容はわからない。遺言者死亡後のみ請求可能。 |
| 遺言書の申請撤回(返還) | 0円(無料) | 本人が出頭して保管を取り下げる(遺言書返還)。 |
📌 注意点
- いずれも収入印紙で納付します(法務局の窓口で購入可能)。
- 遺言者が死亡していない間は、原則として遺言者本人しか手続きできません。
- 相続人・受遺者などが請求できるのは、遺言者の死亡後です。
- 管轄の法務局は遺言者の住所地等によって異なります(事前予約が必要な場合もあります)。
南本町行政書士事務所は何をしてくれるのか?ーご要望の遺言書作成ー
遺言書(依頼者様)は被相続人(亡くなられる方)の最期の思いを伝える手段です。
法律的には、被相続人の死後の法律関係に関する最終意思表示とされ、遺言を形で残す制度が「遺言書」です。
遺言書については、方式が定められています。
- 遺言内容の実現保障
遺言書内容の実現の保障は相続(預金や不動産、経済的価値の高い動産、株式等)・身分に関するもののみが対象となっています。 - 厳格性
死人に口なしというように、被相続人がなくなっていると遺言書の内容の意味、真意に基づいて書かれた遺言書かどうかを知ることができないため、最期の思いを残すための遺言書の方式には「厳格性」が要求されています。
これは、遺言書が被相続人の一方的な思いを残している(法的には「単独行為」といいます)ことから、無条件に効力を認めてしまうと利害関係人に混乱を生じさせるおそれがあるためです。
ただ、繰り返しになりますが、遺言書は被相続人の最期の思いです。そのため、その内容はわがままなものであってもよいと当事務所は考えております。
そのため、遺言書が有効なものとして取り扱われるよう(法律が要求する方式を従う)に作成することはもちろん、被相続人が伝えたいことが伝わる、残された者に言い伝えを守ってもらえる、そんな遺言書の作成をサポートいたします。

✅ 法務のプロによるサポート
自筆証書遺言は法務局保管制度が整ったことで形式上の問題は発生しにくくなりました。しかし、法務局は形式上の判断はしてくれますが、実質上の判断はしてくれません。
すなわち、遺言の内容があいまいだったり、誤解を招く文言であった場合、トラブルの火種になることには変わりはありません。
そのため専門家に遺言の内容を相談することで、リスクを回避し、内容の質を担保、安心を得ることができます。
✅「法務局に預けても、“内容”までは守ってくれません。」
🔒 法務局が保管してくれるのは、「紙」だけ。
でも、実際に相続で問題になるのは、「中身」です。
🔑 “法務局に預けたから安心”は、半分正解。でも、もう半分は“中身次第”。
プロが入ることで、その遺言は「紙」から「信頼」に変わります。
曖昧な文言、漏れている財産、複雑な家族関係——
専門家に相談したかどうかで、“遺言の価値”が変わります。
✅ 安心の定額料金、追加費用なし
ご相談者様との面談を通じ、作成費用その他必要な料金についてはお見積りをいたします。
ご契約後に別途追加料金が発生することはありません(ただし、追加業務をご依頼された場合には別途料金がかかります)。
✅ オンライン相談OK(全国対応)
当事務所は大阪の行政書士事務所ですが、全国からのご依頼に対応いたしております。
ご遠方の方は、オンラインでの相談も承ります。
✅ 相続・家族トラブルを未然に防止
当事務所では、書き方を間違えた遺言の「争族」の引き金となることを回避し、単に書くだけでなく、「伝わる」遺言を一緒に作成いたします。
✅ 遺言作成後もアフターサポートあり
遺言作成後にご不安な点が発生した場合、安心してご相談できるサポート体制を整えております。
遺言の方式(誰が書けるのか・タイミング等)について
遺言について、法律の建付けはどうなっているのか確認しましょう。
遺言を残せる人
遺言書は15歳になれば残すことが可能となっています(民法961条)
- 未成年者が遺言書を残せる理由については民法の考え方(未成年者が遺言をするための条件)をご参照ください。
遺言の効力の有無
遺言書の作成については厳格性が求められるため、
- 方式を守っていない遺言は効力を有しません(民法960条)
- 遺言能力がない者がした遺言も効力を有しません(民法963条)
遺言の方式
遺言の方式についてご紹介します(遺言は大きく普通方式と特別方式に分類できますが、今回は普通方式のみをご紹介します)。
- 自筆証書遺言(民法968条)
遺言を残す本人が、遺言の内容(全文)を自筆で書き、署名押印する遺言書です。 - 公正証書遺言(民法969条)
遺言者が公証人に遺言の内容を伝え、公証人が遺言書を作成し、公的に証明がされた遺言書です。 - 秘密証書遺言(民法970条)
遺言の内容を秘密にしたうえで遺言書を作成し、その存在を公証人等に確認してもらい、封筒に本人と公証人等が署名押印をする遺言書です。
遺言の内容は秘密にしながら、遺言書の存在を明確にすることができる方法です。

自筆証書遺言
遺言の内容をすべて自らで自筆します。
ただ、財産目録を添付する場合には、財産目録は自書せずにパソコン使用して作成してもよいことになりました。
| 作成者 | 署名押印 | 証人 | 検認 |
| 本人 | 本人 | 不要 | 必要 |
★デメリット
遺言書が無効になる可能性が高い
・自筆することから記載内容に誤りが発生することが多い
・簡単にできるため方式を守られていないことが多い
公正証書遺言
遺言の内容を公証人に伝え、公証人が遺言書を作成します。
専門家が遺言書作成に携わることから、有効な遺言書の作成ができます。
また、公証人が作成していることから「検認」手続きが不要となります。
| 作成者 | 署名押印 | 証人 | 検認 |
| 公証人 (口述を筆記する) | 本人 証人 公証人 | 証人2人以上 | 不要 |
★デメリット
費用、人員がかかる
・公証人などの専門家への費用がかかる
・証人2名以上の立会が必要
秘密証書遺言
遺言の内容は秘密にしたままで、遺言書の存在のみを公証人が行います。
遺言書の存在が明確になるため、遺言書が見つからないということが発生しにくくなります。
| 作成者 | 署名押印 | 証人 | 検認 |
| だれでも | 本人 封筒に本人、証人および公証人 | 公証人1人 証人2人以上 | 必要 |
★デメリット
遺言書の記載内容まで公証人が確認することはない
・記載内容に不備が発生する
・法律の方式に沿ったものでない場合がある
検認とはなにか
検認とは、相続人に対し遺言の存在およびその内容を知らせること
そして、遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。
遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。
料金
- 遺言書作成サポート:30.000円~
- 遺言執行者就任:ご相談ください
※詳細なお見積りは内容に応じてご案内いたします。
ご依頼手続きの流れ
まずはお電話、お問い合わせフォーム、メールからのお問い合わせください。
次に、面談を行います。遺言作成の出張面談も行っております。ご希望の場合はお申し付けください(但し、交通費が別途必要となります)。
ここで、詳細に現状やご希望をお伺いして、必要な書類、費用などもお伝えします。
そのうえで、最適な遺言書の形式をご提案、行政書士が直接アドバイス致しますのでご安心ください。
ご契約となりましたら、対象となる相続財産の調査を行い同時に相続人の調査を行います。
遺言書は財産の配分に関するものですので、不動産、預貯金以外にも株券、保険金、債権などが考えられるため相続対象財産を調査します。
ご希望を法的に有効な形に整理し、トラブル防止の観点を踏まえてお作りいたします。
自筆証書の場合には原案をお客様のご要望を伺いながら当事務所で作成しそれをご確認いただきお客様の方で作成して頂きます。
公正証書遺言の場合には、原案作成後公証役場に出向いて作成を完了させます。
2020年から始まった「遺言書保管制度」により、法務局での保管が可能になりました。
ご希望であれば、紛失や改ざんのリスクを防ぐため、当事務所で手続きまでサポートいたします。
実際に相続が発生した際、遺言の内容が確実に実行されるよう、遺言執行者として対応することも可能です。
ご相談・お問い合わせ
遺言書は「まだ早い」と思われがちですが、もしもの時に備えておくことで、ご家族の負担を大きく減らせます。
南本町行政書士事務所は、あなたとご家族の安心を支える法務のパートナーです。
相続手続きサポート
相続は、被相続人の財産を承継することです。
これは、被相続人の死亡によって開始されます(民法882条)。
- 相続財産を前もって継がせる「生前相続」は認められていません。
- 相続の対象となるのは、被相続人に属した一切の権利義務です(民法896条 包括承継)。
ただし、被相続人の一身に専属したものは相続財産から外れます(民法896条但書)
一身専属権とは、ある人のみがその権利を帰属させまたは権利を行使することが可能な権利で、他人が取得・行使することができない権利のことをいいます。簡単にいうと「ある人」のみに認めることが妥当な権利です。
相続の対象となるもの・ならないもの
先ほど、相続の対象となるのは、被相続人に属した一切の権利義務というお話をさせていただきましたが、ここでは具体的に何が相続の対象となるのか・ならないのかをご覧いただこうと思います。
なお、預貯金・海外に存在する財産に関しては、海外財産の相続財産への回復をご覧ください。
①権利義務関係
契約上の地位も原則として相続の対象となります。
ただし、委任契約の当事者の地位、雇用契約上の労働者等の地位など当事者間の信頼関係に基づくものは相続の対象とはなりません。
②扶養請求権
扶養請求権は、原則、一身専属権として相続の対象とはなりません。
ただし、相続開始時において扶養料債権の内容が具体的に確定し、履行期が到来しているものについては相続の対象となります。
③慰謝料請求権
慰謝料請求権は一身専属権として相続の対象とはしていませんでした。
しかし、被害者の死亡により権利を消滅させることの不都合から、相続の対象となると考えらえています。
もっとも、被害者が生前に慰謝料を請求しない意思を示していた場合には相続の対象とはなりませんので注意が必要です。
④生命保険金請求権
生命保険金は、被保険者が死亡し、受取人が請求することで、保険金が支給される受取人の固有の財産となります。そのため、相続財産には含まれません。
たとえ、受取人が相続人であったとしても、相続財産には含まれませんので注意してください。
相続人となる者
相続人となれる者(法定相続人)は以下の人となります。
- 配偶者(民法890条)
- 子供(民法887条第1項)
胎児も相続人となり得ます(民法886条第1項第2項) - 孫(代襲相続の場合 民法887条第2項)
- 直系尊属(親など 民法889条第1項第1号)
- 兄弟姉妹(民法889条第1項第2号)
なお、特別縁故者に関しては、特別縁故者の相続をご覧ください。
相続するかしないかの決定
被相続人が亡くなると、相続人は、相続をするのか・しないのかの選択を迫られます。
その内容を見てみましょう。
- 単純承認
被相続人の権利義務を無条件で相続することを指します。
以下の2.3.に関する熟慮期間が経過すると、単純承認をしたとみなされます。 - 限定承認
被相続人の消極的財産(マイナスの財産 借金など)があるおそれがあり、消極的財産を積極的財産(プラスの財産 貯蓄など)の範囲内で相続することを指します。
簡単に言うと、相続財産の範囲内で責任を負いますと宣言することです。
ただし、この方法は複数の相続人がいる場合には、全員で限定承認をすることで合意をしていることが必要となります(相続を放棄した人は除きます)。 - 相続放棄
相続に関する一切の権利義務を相続しないことを指します。
マイナス財産も相続しない代わりにプラスの財産も相続しません。
限定承認の場合と異なり、1人でも相続放棄をすることが可能です。
限定承認・相続放棄の選択は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行わなければならないとされています(民法915条 熟慮期間といいます)。