民法・民事訴訟法の考え方– category –
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民法の考え方シリーズ(不動産賃借権の時効取得)
不動産賃借権が163条の所有権以外の財産権にあたるとして時効取得できるか。 不動産賃借権は債権であるが、物の使用収益を内容としており永続した事実状態を観念できる。 もっとも、権利者の時効中断の機会を確保する観点から、➀目的物の継続的用益という... -
民事訴訟法の考え方(一部請求後の残部請求の可否)
一部請求後に残部請求をすることができるかという問題があります。例えば、100万円の貸金返還請求があったとして、そのうち全額ではなく50万円の請求をたてたとします。 これで勝訴したのち(又は敗訴でもいいですが)残りの50万を請求することができるか... -
民事訴訟法の考え方シリーズ(一部債務不存在確認訴訟と既判力の問題)
処分権主義は何を訴えるのかというには当事者が決めてよいということであります。既判力というのは一度訴えたのであれば、そこで判決の蒸し返しはできませんよということです。 そうなりますと、例えば、100万円を借りている人が100万円は借りている、でも... -
民事訴訟法の考え方シリーズ(一部認容判決)
一部認容判決は申し立て事項(133条2項2号)と判決事項の一致を要求する246条に違反しないかというのことが問題となります。 246条の機能は処分権主義の見地から申し立て事項を設定した原告の意思を尊重し申し立て事項を防御の最終目標とした被告に対する... -
民事訴訟法の考え方シリーズ(処分権主義)
民事訴訟法の重要な概念に処分権主義というのがあります。処分権主義とは、当事者に訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、さらに判決によらずに訴訟を終了させる機能を認める建前をいいます(民事訴訟法246条)。 要は民事訴訟とは、裁判ではあり... -
民事訴訟法の考え方シリーズ(二重起訴の禁止)
同一の訴えを何度もそれも違う裁判所に同一人物が提起することはできるのでしょうか? まあ一種の嫌がらせではあります。これが認められると被告が手間ですし、なんだったら場合によっては判決がそれぞれ異なり矛盾判決なんてこともあり得ます。 そこで民... -
民法の考え方シリーズ(親権者による代理権の濫用)
未成年者の行為は原則として単独では行えず、必ず法定代理人による同意または後からの承諾(追認)が必要となるからです。このとき親がその親権者である地位を濫用して未成年者、つまり我が子に不利な契約をした場合、利益相反行為として無効(無権代理)... -
民法の考え方シリーズ(不法行為の考え方)
不法行為とは相手の命を奪う、殴るなどの生命身体に対する攻撃や名誉を害する発言、相手のものを壊したり奪ったりする財産侵害まで、人に対する何らかの侵害行為をした場合、損害賠償請求をされるというものです。 民法709条がメインとなります。 これは要... -
民法の考え方シリーズ(第三者の錯誤取消しの主張)
第三者は錯誤取り消しを主張できるか。錯誤取り消しの主張適格があるかという問題があります。 錯誤の主張は当事者保護のものであり、第三者はこれが出来ないのが原則です。しかし、例えば、錯誤の主張ができる人に対してお金を貸している人がいたような場... -
民法の考え方シリーズ(96条3項の第三者と登記の有無)
仮に第三者が善意無過失であった場合、権利主張をするのに不動産登記をする必要があるのでしょうか? 二人の人間が出てきていて両者とも権利主張をする場面ですので登記が必要なようにも思えます。 しかし、96条3項の第三者は承継取得したという感覚に近い...