鳥居と山門のくぐり方・歩き方の作法―神社と寺で異なる参拝の基本マナーー
神社やお寺を訪れるとき、
「鳥居や山門はどうやってくぐればよいのか」
「参道はどこを歩くのが正しいのか」
と迷ったことはありませんか。
実は、鳥居と山門では、くぐり方・歩き方の作法が異なります。
そこには、神道と仏教の考え方の違いが表れています。
この記事では、
- 鳥居の正しいくぐり方と歩き方
- 山門の正しい通り方と歩き方
- なぜ作法が違うのかという宗教的背景
を、初めての方にも分かりやすく解説します。
目次
神社の鳥居のくぐり方の作法
鳥居の前で一礼する
鳥居は、現世と神域の境界です。
そのため、鳥居の前では軽く一礼をしてからくぐるのが基本です。
- 深いお辞儀である必要はない
- 会釈程度で十分
- 「これから神域に入ります」という敬意の表明
と考えるとよいでしょう。
鳥居の中央は避けて歩く
鳥居をくぐるとき、中央は歩かないのが作法です。
理由は、
- 参道の中央は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ
- 神様が通る道と考えられている
ためです。
そのため、人は
- 右側通行または左側通行
- いずれか端寄りを静かに歩く
のが基本となります。
参道の歩き方
参道に入った後も、
- なるべく中央を避ける
- 静かに歩く
- 私語や飲食を控える
というのが基本的なマナーです。
帰りにもう一度一礼する
参拝を終えて鳥居を出るときも、
- 鳥居の外に出てから振り返り
- 軽く一礼する
のが丁寧な作法とされています。
お寺の山門のくぐり方の作法
山門の前でも一礼する
山門も、俗世と修行の場を分ける入口です。
そのため、山門の前でも軽く一礼してから入るのが望ましいとされます。
ただし、神社ほど厳密な決まりはなく、
形式よりも心構えを整える意味合いが強い作法です。
山門では中央を歩いてもよいのか
山門の場合、参道や門の中央を歩くこと自体は、
神社ほど厳格に禁じられているわけではありません。
仏教では、
- 仏は特定の通路を通る存在ではない
- 修行の場として、誰でも平等に通る
という考え方があるためです。
ただし、多くの寺院では、
- 中央は僧侶や法要用に空ける
- 参拝者は左右を歩く
という暗黙の配慮がされています。
したがって、
- 混雑時は端を歩く
- 法要中や僧侶が通るときは中央を避ける
という心遣いが適切です。
敷居を踏まない
山門をくぐるときの重要な作法の一つが、
敷居を踏まないことです。
敷居には、
- 結界の意味
- 建物を守る象徴的意味
があるとされ、古来より踏むことは無作法とされてきました。
小さなことですが、意識すると所作が美しくなります。
鳥居と山門の作法が違う理由
この違いは、神道と仏教の世界観の違いに由来します。
| 項目 | 神社(神道) | 寺(仏教) |
|---|---|---|
| 入口の意味 | 神域への境界 | 修行の場への入口 |
| 中央の扱い | 神の通り道 | 原則として人も通れる |
| 重点 | 境界の尊重 | 心構えと修行 |
神社では、
- 「神の通り道」を避けることが最重要
お寺では、
- 「修行の場に入る心構え」を整えることが重要
という違いが、作法の違いに表れています。
作法は「絶対のルール」ではない
最後に大切な点として、これらの作法は、
- 法律や教義で厳密に定められた義務ではない
- 失敗しても不敬罪になるわけではない
- 相手を敬う気持ちを形にした「礼儀」
であるということです。
大切なのは、
- 静かに歩く
- 境内の雰囲気を乱さない
- 神仏に敬意を払う
という姿勢そのものです。
まとめ
- 鳥居の前後では一礼する
- 鳥居や参道の中央は避けて歩く
- 山門の前でも一礼する
- 山門では敷居を踏まない
- 寺では中央通行は厳禁ではないが配慮が必要
作法を知っているだけで、
参拝の時間はより落ち着いた、意味のあるものになります。
大野