耳に水が詰まる原因とは?加齢や髪の長さとの関係まで徹底解説

お風呂上がりやプール後に「耳がボワッとする」「音がこもって聞こえる」――こんな経験をしたことはありませんか?
一般的にこの現象は**「耳に水が入る」「外耳道に水が残る」**などと呼ばれますが、医学的には「外耳道内に水が滞留している状態」です。

この記事では、

  • なぜ耳に水が詰まるのか
  • 加齢で詰まりやすくなる?
  • 髪の毛の長さは関係ある?
  • 取れないときの安全な対処法
  • 放置すると危険?

など、耳にまつわる素朴な疑問にまとめてお答えしていきます。

目次

1. 耳に水が詰まる現象は何と言う?

一般的には次のように説明されます。

  • 外耳道に水が残る
  • 耳に水が入った
  • スイマーイヤー(水泳耳)※関連症状として

「スイマーイヤー(外耳道炎)」は水がきっかけで耳の中が炎症を起こした状態で、単に水が入っているだけとは区別されます。

2. 耳に水が詰まる原因

① 外耳道の形状

人の外耳道はS字カーブになっており、個人差も大きいです。
カーブが強い人は水が「引っかかりやすい」構造になっています。

② 耳垢の性質

耳垢には2タイプあり、

  • 湿性(ベタベタ)耳垢
  • 乾性(カサカサ)耳垢

湿性耳垢の人は水が絡みやすく、滞留しやすい傾向があります。

③ 皮膚の凹凸や耳毛

  • 耳毛が多い
  • 外耳道の皮膚に小さな凹凸がある

なども水が留まりやすくなる原因になります。

3. 加齢とともに詰まりやすくなる?

答え:人によっては“Yes”です。明確に増えるケースがあります。

理由は以下のとおり:

① 耳垢が乾燥し固まりやすくなる

加齢によって耳垢が硬く・乾燥しがちになり、水が引っかかりやすくなります。

② 皮膚の弾力が減り、外耳道が狭くなる人もいる

加齢によって外耳道の皮膚が少したるむ・厚くなることがあり、これも滞留の原因に。

③ 耳毛が増える

耳毛が増える年代になるほど、水が留まる割合が高くなります。

4. 髪の毛が長いと詰まりやすくなる?

結論:髪の毛そのものが耳の中に影響することは基本的にありません。

ただし、間接的に以下のケースが起こり得ます。

① ドライヤーの風が耳の奥に届きにくい

長い髪が耳まわりを覆うことで乾きにくくなる、という間接的な影響は考えられます。

② お風呂で髪を洗うと水が耳に流れ込みやすい

ロングヘアの人はシャワー時に髪からの水が耳に伝いやすく、結果として水が入りやすく感じる人は一定数います。

ただし「髪が長いから詰まる」というより
“水が入るきっかけが増える” 程度のものです。

5. 耳の水が取れないときの安全な対処法

① 頭を軽く横に傾ける

もっともベーシック。
耳たぶを後ろ・上方向に軽く引っ張ると外耳道がまっすぐになりやすい。

② 片足ジャンプ(古典的だけど意外と有効)

水が右耳なら右足を、左耳なら左足を上げてジャンプ。

③ ドライヤーの“温風弱”を遠くから当てる

20〜30cm離して乾かす。
熱風を近距離で当てるのはNG(火傷・炎症の原因)。

④ タオルやティッシュを無理に突っ込まない

外耳道を傷つける原因になります。

6. それでも取れない場合は?

考えられる原因

  • 耳垢が水分を含み膨張して塞いでいる
  • 実は水ではなく「耳垢栓塞」
  • すでに炎症がおこり外耳道が腫れている

症状としては

  • 聞こえが悪い
  • 耳がこもる
  • 痛みが出る
  • 触るとツーンとする

これらがあれば耳鼻科で簡単に除去可能です。
数分で終わり、スッと改善します。

7. 放置するとどうなる?

長時間水が残ると、
**外耳道炎(スイマーイヤー)**のリスクが上がります。

症状は以下:

  • 痛い
  • かゆい
  • 触ると強く痛む
  • 分泌物が出る

こうなると消炎薬や抗菌薬が必要になりますので、
痛みがある場合は早めに耳鼻科をおすすめします。

まとめ

  • 耳に水が詰まるのは外耳道に水が滞留する現象
  • 原因は外耳道の形・耳垢の性質・耳毛など
  • 加齢とともに詰まりやすくなる人は多い
  • 髪が長いと「入りやすさ」は増えるが直接的には無関係
  • 取れないときは無理に触らず安全な方法で
  • 痛みや長期化は外耳道炎の可能性、耳鼻科へ

大野

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