契約書が不利だったらどうする?契約前・契約後にできる対応を解説
ビジネスや日常生活において契約書を交わす場面は多くあります。しかし、契約書をよく読んでみると「自分にとって不利なのではないか」と感じる内容が含まれていることもあります。
では、契約書が不利だった場合、どう対応すればよいのでしょうか。
契約の前後で対応方法が異なるため、順番に整理して解説します。
契約書が不利かどうかはどう判断するのか
まず前提として、「不利な契約書」とは必ずしも違法な契約書という意味ではありません。
契約は原則として当事者の自由(契約自由の原則)によって成立します。これは民法上の基本的な考え方です。
つまり、
- 双方が合意している
- 公序良俗に反しない
という条件を満たす限り、一方にとって不利な内容であっても有効になる可能性があります。
例えば次のような条項です。
不利になりやすい条項例
- 違約金が高額
- 一方だけが契約解除できる
- 責任範囲が極端に広い
- 損害賠償額が無制限
- 支払い期限が極端に短い
このような条項は、内容によっては実務上かなり不利になることがあります。
契約前に不利と感じた場合
契約前であれば、対応は比較的シンプルです。
(1)条項の修正を求める
契約書は交渉して決めるものです。
そのため、不利な内容があれば修正提案をするのが基本です。
例えば、
- 違約金の上限を設ける
- 損害賠償額を契約金額までに限定する
- 双方に解除権を設ける
- 責任範囲を明確化する
といった修正が考えられます。
契約書は一方が作ったものがそのまま決まるものではありません。
(2)リスクを理解したうえで契約する
修正が難しい場合でも、
- 契約金額
- 利益
- 継続取引の可能性
などを総合的に考えて、リスクを承知で契約する判断もあります。
ビジネスでは実際によくある判断です。
(3)契約自体を断る
条件があまりにも不利な場合は、契約しないという選択も重要です。
契約はあくまで合意で成立するため、
無理に締結する義務はありません。
契約後に不利だと気づいた場合
問題は契約締結後です。
一度契約が成立すると、原則としてその内容に従う義務が生じます。
しかし、次のようなケースでは争える可能性があります。
(1)消費者契約の場合
消費者と事業者の契約では
消費者契約法が適用される場合があります。
例えば、
- 一方的に消費者に不利な条項
- 損害賠償責任を全部免除する条項
などは無効になる可能性があります。
(2)公序良俗違反
契約内容が社会的に著しく不当な場合は
公序良俗違反として無効になる可能性があります。
ただし、これはかなり例外的なケースです。
(3)錯誤・詐欺・強迫
次のような事情がある場合、契約の取消しが認められる可能性があります。
- 内容を誤解していた(錯誤)
- 相手が重要事項を隠していた(詐欺)
- 脅されて契約した(強迫)
実務上よくある「不利な契約書」
実務でよく相談があるのは次のようなケースです。
業務委託契約
- 成果保証が過大
- 無制限の損害賠償
- 一方的な解除権
フリーランス契約
- 著作権の全面譲渡
- 競業避止条項が広すぎる
賃貸借契約
- 過度な原状回復義務
- 不透明な違約金
契約書は一見普通でも、よく読むとリスクが大きい条項が含まれていることがあります。
契約書は「読む前提」で作られている
実務上よくある誤解として、
「契約書は形式的なもの」
と考えてしまうことがあります。
しかし実際には、契約書は
- トラブルが起きたとき
- 裁判になったとき
に最も重要な証拠になります。
つまり、
契約書は読まれる前提で作られている文書です。
まとめ
契約書が不利だった場合、対応は次のように整理できます。
契約前
- 条項修正を交渉する
- リスクを理解して契約する
- 契約を断る
契約後
- 消費者契約法の適用を検討
- 公序良俗違反
- 詐欺・錯誤などの取消し
契約書は、締結してしまうと簡単には変更できません。
そのため、契約前に内容を確認することが非常に重要です。
もし契約書の内容が不安な場合は、専門家に確認を依頼することで、思わぬリスクを防ぐことができます。
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感情や立場の違いが関わる問題は、早めに整理しておくことで 将来のトラブルを防げる場合があります。
大野