Dynabookは東芝からシャープへ──ブランドとパソコン事業の変遷

「Dynabook(ダイナブック)」という名前のパソコンを聞いたことがある人は多いでしょう。かつては東芝の代名詞的存在でしたが、現在はシャープのブランドとして展開されています。この変遷は、日本のPC業界にとっても大きなニュースでした。今回は、その歴史と現在の状況について整理してみます。

東芝のノートパソコン事業からDynabook誕生まで

1985年、東芝は世界初の商用ラップトップPCの一つを発売しました。その後、ノートPC市場で高い評価を受け、東芝のパソコン事業は国内外で広く知られるようになりました。

2000年代後半には、ブランド名「Dynabook」が国際的に使われるようになり、東芝ノートPC=Dynabookというイメージが定着しました。しかし、PC市場の競争激化や利益率の低下により、東芝はノートPC事業の戦略的見直しを余儀なくされます。

シャープによる買収と完全子会社化

2018年10月、シャープは東芝のPC事業を引き継ぐ形で、Dynabook株式会社の株式の80.1%を取得しました。これにより、Dynabookブランドはシャープ傘下に入り、東芝の直接経営から離れることになります。

さらに2020年8月、シャープは残り19.9%の株式も取得し、Dynabook株式会社を完全子会社化。こうして、Dynabookブランドは正式にシャープのもとで運営されることになりました。

現在のDynabookブランドの特徴

現在、Dynabookはシャープ傘下の企業として、高性能ノートPCやビジネス向けモデルを中心に展開しています。

  • 長年の東芝の技術やノウハウはそのまま継承
  • シャープの液晶技術や製造力との融合で、より高品質な製品が提供
  • ビジネスユーザーや教育現場向けのラインナップが充実

つまり、Dynabookのパソコンを購入する場合、東芝の名義ではなく、シャープがメーカーとしてサポートを提供しています。

まとめ

  • Dynabookはもともと東芝のノートPCブランド
  • 2018年にシャープが80.1%取得、2020年に完全子会社化
  • 現在はシャープ傘下でDynabookブランドを展開
  • 技術やブランドは継承されつつ、シャープの強みと統合

Dynabookというブランド名はそのままに、メーカーは東芝からシャープへ変わったというわけです。PC選びの際は、この点を知っておくと安心して購入できます。

💡 補足
「東芝のDynabookが懐かしい」と感じる方も多いですが、今のDynabookも信頼性の高いノートPCとして人気です。特にビジネス向けモデルは、東芝時代の安定感とシャープの液晶技術が融合しています。

大野

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