著作権とは何か、ちなみに売却できるの?

音楽、イラスト、小説、写真、デザイン、動画…。

私たちが日々目にする「創作物」には、ほとんどすべてに著作権が存在します。

けれども、著作権という言葉はよく聞くのに、「結局どんな権利なのか」「売ることができるのか」は意外と知られていません。

今日はそんな「著作権の正体」と、「売却」のリアルについて分かりやすく整理してみます。

■ 著作権とは“創作した人の権利”

著作権とは、自分が創作したものをどう使うかを決める権利です。

たとえばイラストを描いた人なら、その絵を

誰に見せるか

商用利用を許可するか

改変を認めるか

などをコントロールできるのが「著作権」です。

つまり、著作権は「作品の使い方を決める力」であり、創作した瞬間に自動的に発生します。

特別な登録や申請をしなくても、あなたの創作物には著作権が生まれているのです。

■ 「著作権」は複数の権利の集合体

著作権といっても、実は一つではありません。

大きく分けると以下の2種類があります。

1. 著作財産権

お金に関係する権利です。

複製、上映、放送、翻訳、販売など、他人が使うときに「使用料(ロイヤリティ)」が発生します。

2. 著作者人格権

作者の「名誉」や「想い」に関する権利です。

作品を勝手に改変されたり、作者の名前を勝手に消されたりするのを防ぎます。

■ 著作権は“売ること”もできる

さて、よくある質問。

「著作権って売れるの?」

答えは YES(ただし条件付き) です。

売れるのは「著作財産権」だけ。

つまり、お金に関係する権利(複製・販売など)は譲渡可能です。

企業がデザイナーや作家から著作権を買い取るケースもあります。

ただし、「著作者人格権」(名前を出すか、改変を許すかなど)は売ることができません。

これは人間の人格と結びついた権利だからです。

■ 売却するときの注意点

著作権を売るときは、契約書に以下のような点を明確にしておきましょう。

譲渡する権利の範囲(全部か、一部か)

使用目的(印刷のみ、Webでも使用可能など)

再利用・二次利用の可否

クレジット表記の扱い

曖昧なまま契約すると、後で「こんな使い方されるとは思わなかった」というトラブルになりかねません。

■ まとめ

著作権は、創作者が作品をどう扱うかを決める大切な権利です。

そして売ること(譲渡すること)もできますが、すべての権利を手放してしまうと、自分の作品がどのように使われても何も言えなくなってしまいます。

創作物を仕事にする人ほど、「著作権は売るものではなく、管理するもの」という意識が必要です。

自分の作品を守り、正しく使ってもらうために、著作権を理解し、賢く活用していきましょう。

南本町行政書士事務所 代表 特定行政書士 西本

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