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【保存版】温泉と銭湯の違いとは?歴史・効果・開業方法まで徹底解説!

「温泉と銭湯って何が違うの?」
日本人にとってお風呂文化は生活の一部ですが、意外とその違いや歴史、開業の仕方などを正確に知っている人は少ないかもしれません。

本記事では、温泉と銭湯の定義から、その歴史、効能、開業に関わる法規制、さらには歴史的人物と既得権益まで、温泉・銭湯にまつわる知識を幅広く解説します。

目次

1. 温泉と銭湯の違いとは?

項目温泉銭湯
水源地下から湧出する天然の温泉水水道水・井戸水など
許認可温泉法に基づき届け出が必要公衆浴場法に基づく営業許可
成分鉱物・ガスを一定量含む基本的に無成分(消毒はされる)
効能医学的効能が認められることもリラックス・衛生目的

温泉の定義

「温泉」とは、温泉法(昭和23年施行)により、「地中から湧出する温水・鉱水・水蒸気・ガスで、25度以上または特定の鉱物質を一定量含むもの」と定義されています。

銭湯の定義

一方「銭湯」は、地域住民の日常的な公衆衛生の向上を目的とした「公衆浴場」。いわば“町の風呂屋さん”で、水道水を沸かして営業しています。

2. 歴史:はじまりはどこから?

温泉の歴史

温泉文化は古代から存在し、『日本書紀』や『万葉集』にも登場します。最古の温泉の一つとされるのが【道後温泉(愛媛県)】や【有馬温泉(兵庫県)】で、聖徳太子や天武天皇も訪れたと伝えられています。

銭湯の歴史

銭湯の起源は江戸時代初期。江戸の町人文化の中で生まれ、蒸し風呂形式から始まりました。火事の多かった江戸で「風呂屋」は貴重な存在となり、次第に広まりました。

3. 温泉と銭湯の効能・効果の違い

温泉の効能

温泉にはその成分に応じて「神経痛」「冷え性」「皮膚病」「消化器疾患」などに効果があるとされ、厚生労働省が認める「療養泉」も存在します。

銭湯の効果

銭湯は水質的効能はないものの、身体を温め、血行を促進し、精神的なリラックス効果があります。また地域交流の場としても社会的効能があります。

4. 温泉・銭湯を始めるには?

温泉を始めるには

温泉を掘削するには「温泉掘削許可」と「温泉利用許可」が必要です。また温泉法に基づく成分分析と定期検査も求められます。初期費用も数千万円単位と高額です。

銭湯を始めるには

公衆浴場として営業するには「公衆浴場法」に基づく保健所の許可が必要です。建物の構造・設備・衛生管理など細かな基準がありますが、温泉よりは参入障壁が低いです。

5. 歴史上の人物と温泉・銭湯

  • 聖徳太子:有馬温泉を訪れ、仏教的な慈悲の精神と温泉療養を結びつけた先駆け。
  • 徳川家康:伊豆修善寺などに滞在し、温泉地の保護政策も行った。
  • 勝海舟:銭湯を庶民の健康に欠かせないものとして称賛したと伝えられます。

6. 温泉・銭湯における既得権益とは?

銭湯の既得権益

銭湯は地域にとって「生活インフラ」として位置付けられ、東京都などでは「一般公衆浴場」として水道・ガス料金の優遇措置を受けています。この「既得権」は新規参入が難しい要因の一つとなっており、地域指定や制限がある場合も。

温泉の既得権益

温泉地では既存の温泉業者が「源泉所有権」を持っており、新規業者が参入するには契約や譲渡が必要です。また、湧出量や利用制限も行政により調整されており、自由に新設できるわけではありません。

7.入浴剤

🔹 銭湯での入浴剤使用

✅ よくある理由

  • お湯に香りや色をつけるため(リラックス効果)
  • イベント風呂として「ゆず湯」「しょうぶ湯」「ワイン風呂」「薬湯」などを開催するため
  • 天然温泉のような雰囲気を演出するため(成分を模した入浴剤を使用)

✅ 法律的には?

銭湯での入浴剤の使用は、公衆浴場法に基づき「衛生管理上問題がない範囲」であれば可能です。自治体の条例によって制限されることもあります。

🔹 温泉での入浴剤使用

❌ 基本的に使用しません

本物の温泉では、**天然の成分(硫黄・炭酸・鉄など)**がすでに含まれており、入浴剤を入れることはむしろ禁止されている場合が多いです。

✅ 例外:人工温泉施設

「人工温泉」や「温泉気分を味わえるスーパー銭湯」では、温泉成分を模した入浴剤を使うことがあります。
例:メタケイ酸や炭酸水素ナトリウムを含む「準温泉風」入浴剤

🔹 家庭用としての入浴剤は?

温泉旅行に行けない人でも、家庭用の入浴剤で温泉気分を味わうことができます。以下のような種類があります。

  • 炭酸ガス系(血行促進)
  • 薬草系(肩こり・腰痛)
  • ミネラル温泉再現系(別府・草津などを模倣)

🔸 一覧表

入浴施設入浴剤の使用
銭湯イベント風呂や香りづけに使用可
温泉原則使用しない(天然成分の妨げになるため)
人工温泉・スーパー銭湯使用することもある
家庭用温泉気分を楽しむ手段として人気

まとめ:温泉と銭湯、それぞれの魅力と役割

温泉と銭湯は、見た目は似ていてもその性質・歴史・制度は大きく異なります。
温泉は「自然と医学が融合した癒しの場」、銭湯は「地域を支える生活インフラ」。

どちらも日本の文化を支える貴重な存在であり、今後も守り、活かしていくべきものです。

大野

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