日本の代表的な冬の味覚である「おでん」。地域によって味付けやだしの風味が大きく異なることをご存知でしょうか?特に関東と関西では、だしの濃さが逆転すると言われることがあります。このブログでは、おでんにおける関東・関西の味の違いと、その背景についてわかりやすく解説します。
1. 関東と関西のだしの基本的な違い
まず、関東と関西のだし文化の違いを押さえておきましょう。
- 関東のだし
関東では、濃い口醤油を使い、色も味も濃いめのしっかりしただしが主流です。しょうゆの香りが立ち、こってりとした味わいが特徴です。 - 関西のだし
関西では、薄口醤油を使い、だしは透明感があり、素材の味を活かすやさしい味わいが基本です。昆布やかつお節の旨味が繊細に感じられます。
このように、普段の煮物や汁物では関東のほうが味が濃く、関西は薄味で上品というのが一般的な認識です。
2. おでんに限っては「だしの濃さ」が逆転する理由
ところが、おでんの場合、だしの濃さは地域によって逆転すると言われています。
- 関東のおでん
関東のおでんは、比較的あっさりした透明感のあるだしが特徴です。濃いめのだしに慣れた関東人でも、おでんのだしは薄味で素材の旨味を引き出すような味付けを好みます。 - 関西のおでん
関西のおでんは、だしの味がしっかり効いていて濃厚です。昆布とかつお節をベースにしただしに、うす口醤油などを加えて味を整え、全体として旨味が強く感じられる濃い目の味付けが主流です。
この背景には、関西でおでんが「だしをしっかり味わう料理」として根付いていることがあります。素材の味を活かしつつ、だしの旨味を強調する文化があるのです。
3. なぜおでんだけ味の傾向が逆転するのか?
一般的に関東は濃い味付け、関西は薄味という傾向ですが、おでんに限っては次の理由で逆転します。
- 料理文化の違い
関東では日常の煮物や汁物が濃いめなので、おでんではあえてだしを薄くし、素材の味を楽しむ傾向があります。
一方、関西では普段のだしは薄味でも、おでんという特別な料理にはだしの旨味をしっかり出すことを重視しています。 - 歴史的・地域的な食文化の影響
関西は古くからだし文化が発展し、だしの風味を活かした料理が多いことも関係しています。
4. まとめ
- 関東と関西では普段のだしの濃さは「関東が濃く関西が薄い」が基本。
- しかし、おでんに限っては「関西のほうがだしが濃く、関東は薄味」という逆転現象がある。
- これは料理文化や歴史的背景による味覚の違いが影響している。
寒い冬に味わうおでんは、地域ごとの味の違いを楽しむ醍醐味の一つです。もし機会があれば、ぜひ関東風と関西風のおでんを食べ比べてみてくださいね。
大野