人生を生きていると、ときに世間の冷たさや理不尽さに心が折れそうになることがあります。

そんなときに思い出したい言葉が 「渡る世間に鬼はなし」 です。

本記事では、このことわざの意味や由来、現代における使い方や具体例を交えて、誰でもわかりやすく解説します。

「渡る世間に鬼はなし」とは?意味を解説

「渡る世間に鬼はなし(わたるせけんにおにはなし)」とは、

どこに行っても、世の中には冷たい人ばかりではなく、親切な人や情のある人も必ずいる
という意味のことわざです。

ポイントとなる語句:

  • 「渡る世間」…この世の中を生きていくこと
  • 「鬼」…冷酷な人、情けのない人の象徴

つまり、「世の中を歩いていれば、必ず優しい人にも出会える」という、人の情けや温かさを信じる気持ちを表す言葉です。

由来・語源

このことわざのはっきりとした出典は不明ですが、日本の古くからの庶民の間で語り継がれてきた言葉だとされています。
江戸時代の人情話や落語などの中でも、人情深い登場人物が描かれており、「世間には鬼ばかりではない」という考え方が根付いていました。

また、橋田壽賀子さんによる長寿ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』のタイトルでも知られていますが、これはあえて逆説的に使われた表現で、ドラマ内では「鬼のような登場人物が多い世の中」を皮肉った構造になっています。

「渡る世間に鬼はなし」の使い方・例文

日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使えます。

例文①(困っていたときに助けられた場合)

財布を落として途方に暮れていたけど、見知らぬ人が交番に届けてくれていた。
やっぱり、渡る世間に鬼はなし、だね。

例文②(不安な気持ちへの励まし)

新しい職場に馴染めるか不安だけど…
大丈夫、渡る世間に鬼はなし。きっと良い人に出会えるよ。

現代における「渡る世間に鬼はなし」なエピソード

たとえば、SNSで炎上や誹謗中傷が話題になりがちな時代ですが、
一方で、募金活動に応じる人、災害時に助け合う地域の人々、SNSで見知らぬ人を励ます投稿など、
見えにくいけれども確かに「優しさ」は存在しています。

ネット社会だからこそ、誰かの善意がより大きな影響を持つ時代になったとも言えるでしょう。

まとめ:世の中、捨てたものじゃない

「渡る世間に鬼はなし」という言葉は、
世の中には冷たい人もいるけれど、それ以上に思いやりを持った人もいるという、希望を感じさせてくれる日本のことわざです。

辛いとき、迷ったとき、信じる気持ちを思い出したいとき。
この言葉が、あなたの背中をそっと押してくれるかもしれません。

大野