最近は、ChatGPTなどのAIを使って「契約書を自分で作ってみた」という方も増えてきました。

確かに、ちょっとした内容であればAIでもそれらしい文面を出してくれますし、わざわざ専門家に依頼しなくてもいいのでは?と思う方もいるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。

契約書というのは「ただそれっぽい文章が書かれていればいい」というものではありません。
実際のトラブル現場では、「AIで作った契約書では対応できなかった」という事例が少なくないのです。

今回は、「なぜ契約書作成が重要なのか」、そして「AIには何が足りないのか」について、分かりやすく解説していきます。

1. 契約書は“いざというとき”の備え

契約書とは、口約束を証拠に変えるツールです。

トラブルが起きたときに、「何を、誰が、いつまでに、どうするのか」を明確にしておかないと、

言った・言わないの争いになります。

✅ 例えばこんな場面

  • 「支払期限を過ぎたけど、そんな取り決めあった?」
  • 「修理費用ってそっち持ちじゃなかったの?」
  • 「成果が出なかったら報酬なしって話だったでしょ?」

…こうした主張が出てきたときに、契約書がない or 曖昧だと立場が一気に弱くなってしまいます。

2. AIで作れる契約書に潜むリスク

確かにAIは便利です。契約書のテンプレートや文章もあっという間に作ってくれます。

しかし、AIの契約書には、次のような**“見えない落とし穴”**があります。

● 当事者の実情を反映できない

AIは「一般論」は得意ですが、「この会社は業界的に信用不安があるから、特別に違約金を強めに設定したい」など、当事者の背景やリスク感覚を反映することはできません。

● 抜け漏れに気づけない

「こんなトラブルが起きるとは思わなかった…」という盲点に、AIは気づけません。

専門家は過去の事例や慣行を踏まえ、「起こりうるリスク」を想定して条項を追加・調整できます。

● 法的チェックは自己責任

知らない間に使えない条項を書いてしまい、後で泣くのは自分です。

3. 契約書作成は「リスク設計と責任分担」のプロの仕事

弁護士といった専門家は、ただ文書を作るだけでなく、

  • トラブルの起きやすいポイントを予測する
  • 将来的な変更にも対応しやすい構成にする
  • 当事者双方のバランスをとる

など、リスクの“設計図”を描く仕事をしています。

契約は「安心して前に進むための道具」です。
AIで書いた契約書が、かえって足を引っ張ることがないよう、重要な契約ほど専門家に一度チェックを受けることをおすすめします。

まとめ|AIと契約書、上手に使い分けよう

項目AIでも可能専門家のチェックが必要
定型的な売買契約
フリーランスの業務委託契約
共同事業の契約
損害賠償・解約条件を明確にしたい

▼まずはご相談ください

「AIで作った契約書に追記してほしい」
「取引先とのトラブルを未然に防ぎたい」
「自社の契約書を一度見直したい」
――そんな方は、お気軽にご相談ください。

南本町行政書士事務所では、実情に即した契約書作成や見直しのご提案を行っております。