民主主義とは何か?
民主主義とは、国民が政治に参加し、平等に意見を述べ、意思決定に関与できる政治体制を意味します。
簡単に言えば、「国のあり方を、みんなで平等に決めていく仕組み」です。
民主主義の基本原則には以下の2つがあります:
- 国民主権(主権が国民にある)
- 法の支配(すべての人が法の下に平等である)
また、民主主義とよくセットで語られるのが「多数決の原理」ですが、これは民主主義の**運用方法(ルール)**であり、同義語ではありません。
民主主義は政治の仕組みの話であり、
多数決の原理は民主主義の中でどうやって「意思決定を行うかのルール」の話です。
民主主義と「自由」の深い関係
現代の私たちは「民主主義」と聞くと、「みんなで決めること」や「選挙で代表を選ぶこと」といったイメージを抱きがちです。そのイメージは正しいのですが、見落としてはいけない重要な点があります。
それは、民主主義は「自由」と切り離せないものだということです。
民主主義の対義語は「専制主義」や「独裁体制」です。
専制主義では、政治の意思決定が一部の権力者や指導者によって行われ、国民の意見や自由、権利は無視されます(権利は保障されておらず、権力者によって決められたことに対して従うことが強制されます)。
これに対して、歴史上、数多くの革命が起こってきました。
市民は言論の自由、行動の自由、基本的人権を求めて立ち上がり、その結果として勝ち取られた体制が民主主義なのです。
日本の民主主義は「与えられた自由」?
日本も現在、民主主義国家です。
私たちは自由に発言し、集会を開き、選挙に参加する権利を保障されています。これは非常に恵まれたことです。
しかし、日本の民主主義は革命によって自由を勝ち取った歴史を持たない分、
- 「自由」に対する認識が浅い
- 「権利」ばかりを主張し、「責任」を伴わない
- 「自由」と「わがまま」を混同する人がいる
といった課題が指摘されることがあります。
民主主義を守るためにできること
私たちが享受している自由や権利は、当然のものではなく、歴史的な背景と努力によって支えられているものです。
それにもかかわらず、日本では選挙の投票率が低い傾向があります。
これは、民主主義の根幹である「政治参加の自由」を自ら放棄している状態とも言えます。
一方で欧米諸国でも近年は投票率の低下が課題になっていますが、そこにはまた別の社会背景があるため、比較は一概にはできません。
まとめ:自由と責任のバランスを
民主主義とは、自由と責任のバランスの上に成り立つ体制です。
「自由に発言できる社会」は、「皆が責任ある発言と行動をする社会」であってこそ、持続可能になります。
私たち一人ひとりが、民主主義の恩恵にあぐらをかくのではなく、自由を正しく理解し、活かし、守る姿勢を持つことが求められています。
大野