貞操権とは、性的自由に不当な干渉を受けない権利のことを言います。

つまり、誰と性的な関係を持つかを自由に決めることができる権利です。

貞操という言葉は、貞操義務などで聞いたことがあるかもしれません。

民法第752条では、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と規定し、民法第770条1項1号では「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。1 配偶者に不貞な行為があったとき」と規定しています。

このため、不貞なことをしてはならない(民法第752条の義務の中に含まれる)ということで貞操義務があるといわれています。

話を戻しまして、貞操権についてですが、

この意思決定の自由を侵害することは貞操権侵害となり、不法行為となりえます。

例えば、
・相手が既婚者であることを隠して交際していた
・結婚する気持ちがないにもかからわず、結婚の約束をして交際していた
・離婚する気がないにもかからず、もうすぐ離婚するといってダマして交際していた

さらに暴力や脅迫などによって、無理やり性的な関係を持たされてしまった場合には、貞操権侵害だけでなく、強制性交等罪となる可能性があります。

大野