建物買取請求権とは、一言でいうと、土地の所有者にその土地を借りていた人が建てた建物を買い取ってもらう権利をいいます。

借地借家法第13条に規定があります。

では、ここで問題です。

Aさんが居住用の建物を所有する目的で、Bさんから乙土地を借りました。

Aさんは初めは土地代(賃料)を支払っていましたが、そのうち支払わなくなりました。

それを理由としてBさんは賃貸借契約を解除しました。

この場合、契約に特段の定めがないときは、Bさんは建物を買い取らなければならないのでしょうか?

答えは、

×です。

建物買取請求権について借地借家法第13条は次のように規定しています。

「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。」

Aさんは土地代を支払わなかったことにより、Bさんから賃貸借契約を解除されています。すなわち、債務不履行解除です。

Aさんが約束を反故にしたわけですから、Aさんを保護する必要はありません。

そのため、建物買取請求権は行使できないとされています。

大野