私権とは私法関係における権利の総称です。
私法とは私人間において適用される法律のことです。
典型例として民法があげられます。
では私権とは具体的にどんなものがあるのでしょうか。
まずは、①内容による分類です。
A:財産権
経済的価値のある財産的利益を内容とする権利です。
例としては、物権や債権があげられます。
B:身分権
特定の地位(家族関係)に基づいて与えられている利益を内容とする権利です。
例としては、子の親に対する扶養請求権、離婚時の財産分与請求権などです。
C:人格権
人間として尊重されるべき人格的価値を内容とする権利です。
例としては、生命身体、名誉、自由に関する権利です。
そして、②作用による分類もされます。
A:支配権
権利者が直接、一定の物を支配することができる権利です。
例として物権があげられます。
B:請求権
権利者が特定の人に対して行為を請求することができる権利です。
例として債権があげられます。
C:形成権
意思表示によって、それだけで法律効果を発生させることができる権利です。
例として取消権や解除権があげられます。
D:抗弁権
他人の請求に対してそれを阻止することができる権利です。
例として同時履行の抗弁権、保証人の催告の抗弁権があげられます。
大野