損害賠償請求の範囲として、信頼利益というものと履行利益という考え方があります。

信頼利益
 無効な契約を有効であると信じた(誤信した)ことによって生じた損害まで賠償しなければならないという考え方
 たとえば、絵を転売目的で買ったが、有名な画家が描いたものだと思っていたが、そうではなかった場合、購入代金を借入していたときの利息が信頼利益です。

履行利益
 契約がちゃんと履行されていれば得られたはずであろう利益まで賠償しなければならないという考え方
 たとえば、絵を転売目的で買ったが、売主に壊されてしまい転売できなかった場合、転売して得られたであろうの利益が履行利益です。

両者を比較すると、相手に請求できる範囲は履行利益の方が広くなります。
転売して得られたであろう利益まで請求できるからため、そうなりますよね。

大野