ある不動産の所有者が他人名義の登記がされているのを知りながら、放置していた場合、この放置されている不動産をその他人が善意の第三者に売り渡した場合、この譲渡は有効となり第三者は所有権を主張できるかという問題があります。通謀はしていないため94条2項の直接的な場面ではありませんので問題となります。

登記の名義人を信じた結果、保護されるわけではないため(公信力がない)

また通謀がないため94条2項直接適用ではありません。

しかし、似てはいます。また真の権利者は放置しているため帰責性が大きいといえます。

そこで、1,虚偽の外観が存在し、2,虚偽の外観作出について真の権利者に帰責事由があり、3,第三者が善意という条件なら第三者は保護されます。

今回なら、通謀はないですが、真の権利者でない人の名義人となっており、放置という帰責性があり、第三者は善意ですので第三者は保護されます。

行政書士 西本