みなさんは「国民主権」という言葉を聞いたことがありますか?ニュースや教科書でよく出てくる言葉ですが、実際にどういう意味か、はっきり理解している人は意外と少ないかもしれません。今回は、国民主権の意味や、日本の主権の特徴についてわかりやすく解説します。
目次
1. 主権とは何か?
まず「主権」という言葉から整理しましょう。
主権とは、「国や国家の最高の権力」を意味します。
簡単に言えば、誰が国のルールを決め、誰の意思で政治が行われるのか、を示すものです。主権が誰にあるかで、政治の仕組みや国民の役割も変わってきます。
2. 国民主権とは?
国民主権とは、国家の主権が国民にあることを意味します。
- 政治の最終的な意思決定権は国民にある
- 国民が選んだ代表(議会や内閣)が政治を行う
- 憲法に基づく権力の行使が原則
日本国憲法では、まさにこの考え方が採用されています。憲法前文や第1条では、「国民こそが主権者」であることが明確にされています。
たとえば、選挙で政治家を選ぶことや、国民投票で憲法改正を決めることも、この国民主権の考え方に基づくものです。
3. 他の主権の考え方
国民主権のほかにも、世界の歴史や国によっては主権の考え方に違いがあります。
天皇主権(君主主権)
- 主権が国民ではなく君主(天皇や王)にある考え方
- 日本では明治憲法(大日本帝国憲法)で採用されていた
- 政治の最終決定権は天皇にあり、国民は従う立場
国家主権(国家中心主権)
- 主権は国家そのものにあるとする考え方
- 国民個人の意思よりも国家の意思が優先される
- 全体主義国家や独裁国家で見られることがある
神権主権(宗教主権)
- 主権が神や宗教指導者にあるとする考え方
- 歴史上の神権政治や宗教国家にみられる
4. 日本で国民主権が重視される理由
第二次世界大戦後、日本は民主主義国家として再出発しました。その象徴が国民主権です。
- 戦前は天皇主権であったが、戦争や独裁政治の反省から国民に権力を戻した
- 憲法で「国民こそが主権者」と明記
- 政治家や政府の権力も国民の意思に基づいて行使されることが原則
つまり、国民主権は「国民一人ひとりの意思が政治の根本にある」という民主主義の基本です。
5. まとめ
- 主権とは「国の最高の権力」のこと
- 国民主権は主権が国民にあることを意味し、日本国憲法の柱
- 他にも天皇主権・国家主権・神権主権などの考え方がある
- 日本では戦後、民主主義を守るために国民主権が採用されている
国民主権を理解することは、政治や選挙、社会の仕組みを考えるうえでとても大切です。「自分の一票が政治を動かす」という感覚を持つことが、現代社会の主権者としての第一歩と言えるでしょう。
大野