温泉地を訪れると、多くのお店が夜遅くまで営業していると思いがちですが、実際には夕方17〜19時頃に閉まるところが少なくありません。観光客からすると「せっかく温泉街に来たのに夜は散策できないの?」と不思議に思うこともあるでしょう。では、なぜ温泉街のお店は早めに店じまいするのでしょうか。
1. 観光客の行動パターン
- 多くの観光客は「温泉宿の夕食」を楽しみにして訪れます。
- 夕食は18時頃から始まることが多く、宿泊客はその時間帯に外に出歩かなくなります。
- つまり温泉街全体で「夜は人通りが少なくなる」ため、お店を開けていても採算が取りにくいのです。
2. 昼間に需要が集中する業態
温泉街のお土産屋や食べ歩き用の飲食店は、観光客がチェックイン前や観光の合間に立ち寄ることを前提としています。
- 午前〜午後:観光客が街歩きを楽しむ時間帯
- 夕方以降:旅館・ホテルで食事や入浴を楽しむ時間帯
この流れに沿って営業を組み立てているため、自然と「昼中心・夕方閉店」という営業スタイルになっています。
3. 地元の事情と人員確保
温泉地は大都市に比べて人口が少なく、働き手も限られています。
- 宿泊施設への勤務と兼業している人も多いため、夜遅くまで別の店舗を開けるのは難しい。
- 防犯や人通りの少なさを考慮すると、夜の営業はリスクが高い。
こうした地域事情も、早い時間に店じまいをする理由の一つです。
4. 例外:夜もにぎわう温泉街
一方で、都市型の温泉地や観光政策に力を入れている地域では、夜まで営業している店も見られます。
- 別府温泉の繁華街や草津温泉の湯畑周辺
- 飲食店やバーが充実しているエリア
ただし、こうした場所は全国的に見ると少数派であり、温泉街全体の傾向としては「夜は静かに宿で過ごす文化」が根付いています。
まとめ
温泉街のお店が夕方に閉まるのは、
- 観光客が夜は宿に戻る
- 昼間に需要が集中している
- 地元の人手や防犯の事情
といった理由が重なっているためです。
温泉街は「夜ににぎわう街」というよりも「昼に散策し、夜は宿でゆっくり過ごす街」。その土地ならではの時間の流れを理解すると、旅の楽しみ方もまた広がるでしょう。
大野