外国籍の方のための日本国籍取得ガイド│帰化申請の総合案内

はじめに

日本国籍への帰化

日本に長く住み、仕事や生活を続ける中で「日本国籍を取得したい」と考えるも多くいらっしゃいます。

日本国籍を取得するには「帰化申請」という手続きが必要です。

本ページは、現在外国籍をお持ちで、日本での生活・就労を経て、初めて日本国籍の取得(帰化)をお考えの方に向けた帰化の要件や申請に必要な書類、手続きの流れ、行政書士によるサポート内容などの総合ガイドです。

かつて日本国籍を有していた方の「再帰化」や「国籍再取得」については別ページにてご案内しています。
▶ 再帰化・国籍再取得はこちら

帰化とは(国籍法第4条第2項)

帰化とは、外国籍の方が日本国籍を取得し、日本人としての法的地位を得る制度です。
つまり、日本国民となります。
これにより、選挙権や被選挙権が与えられ、在留資格の更新も不要となります。

申請は申請者本人が行う必要があります。

日本国籍を取得したいとお考えの方へ

帰化申請に必要なことは様々です。

  • 多くの書類を集める必要がある(共通書類、個別書類)
    ※帰化申請をする個人個人によって提出する書類の内容は異なります
  • 帰化の要件を満たす必要がある
  • 住民票に記載されているご自身の住所地を管轄する法務局に提出する必要がある

集める書類は日本にある母国の領事館と市区町村役場で取得するものや会社、卒業した学校から取得するもの、様々です。これらの書類を収集し、申請書を作成する作業は骨が折れます。

忙しい社会人には自由な時間を失うことになります。
また、時間をかけて書類を作成したにもかかわらず、要件にそった書類の提出になっておらずやり直しの可能性があります。

当事務所では、これらの書類をそろえ、申請書を作成し、代理提出を行います。

ご依頼者様には、法務局に出向いていただくのは最後の一回(面談日)で後は当事務所がすべて行います。

日本国籍へ帰化をご希望の方はぜひ当事務所までお問い合わせください

帰化申請か永住権取得か

日本に長期的に滞在するものとして帰化永住権が考えられます。

帰化は、外国人が日本国籍を取得することです。
帰化に関する根拠法は、「国籍法」です。
帰化を申請する先は、「住所地を管轄する法務局」です。
日本国籍を取得するため、「日本人」として選挙権や被選挙権が認められます。
日本人となるため、ビザの手続きも不要となります。

永住権は、外国人が日本に永住できる権利です。
永住権に関する根拠法は、「出入国管理及び難民認定法」です。
永住権を申請する先は、「住所地を管轄する入国管理局」です。
永住権は、在留資格の一種で、在留活動・在留期間に制限はありませんが、日本の国籍を取得するわけではないため(外国人であるため)、帰化と異なり選挙権や被選挙権は認められません。

帰化と永住権の違い

比較項目帰化永住権
国籍日本国籍を取得外国籍のまま
選挙権・被選挙権〇(有)×(無)
申請先法務局入管(出入国在留管理局)
根拠法国籍法入管法
更新の有無なし(日本人)なし(ただしビザ扱い)
名前・戸籍の変化日本式に変更あり変更なし

帰化の要件ー国籍法第5条ー

帰化申請には以下の一般的な要件があります(国籍法第5条 普通帰化)。

1.住所要件
2.能力要件
3.素行要件
4.生計要件
5.重国籍防止要件
6.憲法遵守要件

※要件を満たしたとしても必ず帰化が許可されるとは限りません。
その理由は、帰化の許可・不許可は法務大臣の広範な裁量(自由裁量)に委ねられているためです。

※帰化申請は日本国民になるため、日本国籍を取得するための申請ですので、日本語が話せることも重視されます。
求められるレベルとしては、法務局の運用レベル上、小学3年生以上の日本語能力(読み書きや会話)を有していること、です。これはあくまで運用レベルであり、国籍法上の規定ではなく、明確な基準ではありません。

※日本で生まれ育った方や日本人の配偶者・子供など、特別な関係にある方には「簡易帰化」といった制度もあり、一部要件が緩和される場合があります(国籍法第6条~第8条)。
詳細は再帰化のページをご覧ください。

帰化申請要件の内容

日本国旗、日本国籍の取得

帰化の要件の内容について必要書類も含め、詳細に見ていきましょう。

①住所要件(国籍法第5条第1項第1号)

 

引き続き5年以上日本に住んでいること

帰化申請をする時までに、継続して5年以上日本に在住している必要があります。
日本への定着が求められていることから、理由のない長期出国(連続で90日以上または年間で150日以上の出国)、在留資格を喪失したなどの場合には認められないことになります。

②能力要件(国籍法第5条第1項第2号)

 

年齢が18歳以上であること、かつ、本国の法律によっても成年の年齢に達していること

③素行要件(国籍法第5条第1項第3号)

素行が善良であること

過去の犯罪歴(交通違反など)の有無といった問題行動を確認や税金などの納税等の義務を履行しているかという状況が考慮されます。

④生計要件(国籍法第5条第1項第4号)

安定した収入・生活基盤があること

日本人となっても生活に困ることがなく暮らしていけることが必要です。その判断は生計を1つにする親族単位(同一世帯単位)で判断されます。
そのため、申請者自身に収入がなくとも配偶者等に生計を立てれる資産や能力があれば要件を満たすことになります。

⑤重国籍防止要件(国籍法第5条第1項第5号)

母国国籍の離脱が可能であること

日本は二重国籍を認めていないため、母国国籍喪失となります。
帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です(国によっては帰化後も自国の国籍を喪失しない制度の国もあるため、母国の国籍を喪失できるか、母国の国籍法をご確認ください。)

⑥憲法遵守要件(国籍法第5条第1項第6号)

暴力的破壊活動に関与していないこと

日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張したりする者、その団体であるようなものでないことが必要です。

⑦日本語能力

日本語能力(読み書き・会話)が求められます(人によっては日本語能力のテストが実施される場合があります)。

帰化申請に必要な書類

帰化申請に必要な書類は主に以下のものです。
帰化申請を行う人によっては追加書類が必要となることがあります(夫婦で申請する、結婚した妻のみ申請する、親子で申請する、未成年の子供のみ申請する、養子縁組の子供の申請をする等)。

  • 帰化許可申請書
  • 親族の概要を記載した書類
  • 帰化の動機書
  • 履歴書
    その履歴を証明する資料(卒業証明書等)が必要です。
  • 生計の概要を記載した書類
  • 事業の概要を記載した書類
    法人の経営者、個人事業主等は、登記事項証明書や決算報告書、確定申告書が必要です。
  • 住民票
  • 国籍を証明する書類
    母国のパスポート、出生証明書、国籍証明書(大使館または領事館発行のもの)
  • 親族関係を証明する書類
  • 納税を証明する書類
    納税証明書
  • 収入を証明する書類
    収入証明書
  • 在留歴を証する書類

帰化許可申請の流れ

参考に帰化許可申請の流れをご案内します(以下は一般的な流れですので、個人によって必要となる書類や手続き、期間が変わる場合があります)。

  1. 法務局での事前相談
    事前に法務局で必要書類を教えてもらう
  2. 必要書類の収集・申請書類の作成
    当事務所にご依頼いただいた場合、当事務所で集めることが出来る書類は集めます。また、申請者に集めていただく書類は申請者に集めていただきます。
    本国の戸籍は必ず必要になり、翻訳文をつけて法務局へ提出となります。この翻訳作業を当事務所で翻訳家に依頼することも出来ますが、ご自身で翻訳できる場合は翻訳にかかる費用を抑えることが出来るので、可能な場合はお申し出ください。
  3. 住所地を管轄する法務局に申請書を提出
  4. 申請に基づいて法務局が審査を行う(1年以上)
  5. 面接と家庭訪問、職場訪問(必要に応じて)が行われる
  6. 法務大臣によって許可・不許可処分が行われる

 1年以上かかる場合が一般的です。

許可までの期間

半年から3年の期間を要します。
一般的には1年以上かかる場合がほとんどです。

帰化申請の許可処分・不許可処分

帰化申請を行い、法務局による審査・面接の後、結果が通知されます。

不許可だった場合

帰化が認められなかったということです。

しかし、再申請には制限はありませんので、何度でも帰化許可申請を行うことが可能です。
もっとも、不許可処分がなされた事実は履歴として残り、再申請をする際にはより慎重な手続きを行う必要があります。
不許可になった事由(理由)をしっかりと把握し、適切ではなかった部分を修正し、情報を補足することが重要です。

  1. 面接や帰化申請手続きの中で説明、案内されたことから問題点(生活状況など)を修正する。
  2. 修正したことを継続させること
  3. その後に再申請を試みる

許可となった場合

帰化が認められたということです。
官報に掲載された日が日本国民となった日となります。

日本国籍を取得すると官報にその旨が掲載され、法務局から帰化許可通知書(身分証明書)が交付されます(表彰状に似たもので、帰化後において唯一の身分証明ができる重要なものです)が、これをもって市区町村役場(市役所)への帰化届け出や各種名義変更等を行う必要があります。

  1. 帰化届の提出
    帰化申請時に本籍地とした市区町村役場に身分証明書と帰化届を提出します。
    これにより個人の戸籍が編製されます(戸籍をつくってもらえます)。
  2. 外国人登録証明書(在留カード)の返納
    これを怠ると、罰則がありますので注意が必要です。

帰化申請サポートのご案内

当事務所では、帰化に必要な書類のご案内から収集サポート、申請書作成、提出代行、面接対策までワンストップで対応しています。

  • ご自身で何度も法務局に通う必要はありません
  • 忙しい方も、最小限の負担で手続きを進められます
  • 書類の不備による差戻しを未然に防ぎます

関連手続きのご案内

以前日本人だった方の再帰化・日本国籍の再取得ページはこちらになります