平均余命と平均寿命の違いとは?意味・定義を具体例でわかりやすく解説
「日本人の平均寿命は世界トップクラス」
「65歳の平均余命は○年」
ニュースや統計資料でよく見かけるこの2つの言葉ですが、平均寿命と平均余命の違いを正確に説明できる人は意外と多くありません。
似た言葉ですが、意味・使われ方・前提条件はまったく異なります。
この記事では、定義・具体例・使い分けを交えながら、初めての方にもわかりやすく解説します。
平均寿命とは何か
平均寿命の定義
平均寿命とは、
その年に生まれた人が、今の死亡状況が一生続いたと仮定した場合に、平均して何年生きるか
を表した数値です。
厚生労働省が毎年公表している「簡易生命表」に基づき算出され、日本では男女別に発表されます。
平均寿命のポイント
- 出生時(0歳)を基準にしている
- 実在する人の将来を予測しているわけではない
- その年の死亡率をもとにした「統計上の平均値」
つまり、個人の寿命を示すものではなく、社会全体の健康水準や医療水準を示す指標です。
平均寿命の具体例
仮に、
- 日本人男性の平均寿命:81歳
- 日本人女性の平均寿命:87歳
と発表されていた場合、
これは
「今年生まれた男の子は、統計上平均すると81年生きる」
という意味になります。
すでに50歳の人が「あと31年生きる」という意味ではありません。
平均余命とは何か
平均余命の定義
平均余命とは、
ある年齢の人が、その後平均してあと何年生きると見込まれるか
を表した数値です。
年齢ごとに計算され、0歳の平均余命=平均寿命 となります。
平均余命のポイント
- 0歳、20歳、65歳など「今の年齢」が基準
- すでにその年齢まで生きている人だけが対象
- 高齢になるほど平均余命は短くなるが、思ったより長いことも多い
平均余命の具体例
たとえば、
- 65歳男性の平均余命:19年
- 65歳女性の平均余命:24年
とされている場合、
これは
「65歳まで生きている男性は、平均すると84歳まで生きる」
「65歳まで生きている女性は、平均すると89歳まで生きる」
という意味になります。
平均寿命と平均余命の違いを整理
| 項目 | 平均寿命 | 平均余命 |
|---|---|---|
| 基準年齢 | 0歳(出生時) | 任意の年齢(65歳など) |
| 対象 | その年に生まれた人全体 | その年齢まで生存した人 |
| 主な用途 | 国の健康水準・国際比較 | 年金・介護・老後設計 |
| 個人の将来予測 | × | △(あくまで平均) |
なぜ平均余命の方が現実的なのか
老後資金、年金受給、介護の備えなどを考える場面では、
平均寿命より平均余命の方が実感に近い指標になります。
理由は簡単で、
- すでに病気や事故で亡くなる可能性を乗り越えている
- その年齢まで生きている人だけで再計算されている
からです。
そのため、
「平均寿命は80代前半だけど、90代まで生きる人が多い」
という印象が生まれるのは、統計上も自然なことです。
平均値であって「寿命の上限」ではない
重要な注意点として、
- 平均寿命・平均余命は「平均」であって
- そこが寿命の限界ではない
という点があります。
実際には、
- 平均より短く亡くなる人
- 平均を大きく超えて長生きする人
どちらも存在します。
あくまで制度設計や目安として使う数字であり、
個人の生き方や健康状態を決めつけるものではありません。
まとめ
- 平均寿命:0歳から見た「社会全体の平均的な寿命」
- 平均余命:今の年齢から「あと何年生きるかの平均」
- 老後や相続、ライフプランを考える際は平均余命が参考になる
- どちらも「個人の寿命を断定する数字」ではない
数字の意味を正しく理解することで、
老後設計や人生設計をより現実的に考えることができます。
大野