積極財政と緊縮財政って何?わかりやすく解説

経済のニュースや政治の話でよく出てくる言葉に、「積極財政」と「緊縮財政」があります。名前だけ聞くと難しそうですが、簡単に言うと政府がお金を使うか、使わないかの違いです。

1. 積極財政(せっきょくざいせい)とは?

積極財政とは、景気が悪いときに政府がお金を使って、経済を元気にしようとする政策です。

  • やること:公共事業(道路や橋を作る)、学校や病院への投資、給付金の支給など
  • 狙い:お金を使うことで仕事が増え、人々の消費が増え、経済全体が回るようにする
  • 経済になると:景気が上向きになり、会社やお店が潤い、失業が減ることも

具体例
2008年のリーマンショック後、日本やアメリカは積極財政を行いました。日本では道路や公共施設の建設、アメリカでは減税や給付金の支給が行われました。これで経済が少しずつ持ち直しました。

2. 緊縮財政(きんしゅくざいせい)とは?

緊縮財政は、政府の借金や赤字が増えすぎないように、お金の使い方を抑える政策です。

  • やること:公共事業を減らす、給付金を減らす、税金を上げる
  • 狙い:借金を減らして将来の経済の安心感を作る
  • 経済になると:お金の流れが減るので、景気が鈍化することがある。場合によっては失業が増えることも

具体例
ギリシャの財政危機(2010年代前半)では、緊縮財政が行われました。政府は支出を大幅に減らし、給付金もカットしました。その結果、経済が縮小し、失業率が急増してしまいました。

3. 違いをざっくりまとめると

種類何をする?景気への影響目的
積極財政お金を使う景気を刺激、経済回復不景気を乗り切る
緊縮財政お金を抑える景気が冷えることも借金・赤字を減らす

4. まとめ

  • 積極財政は「困ったときにお金を使って景気を元気にする」
  • 緊縮財政は「借金を減らすためにお金を抑える」

どちらも正解ではなく、状況によって使い分けるのがポイントです。景気が悪いときに緊縮ばかりだと、経済がもっと悪くなることもありますし、逆にお金を使いすぎると借金が膨らみます。

大野

目次