刑事事件で逮捕された場合、「いつまでに裁判にかけられるのか」「在宅捜査だとどうなるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。今回は逮捕から起訴・不起訴までの時間的制限を具体例を交えながらわかりやすく解説します。
目次
逮捕から起訴までの基本的な流れ
刑事事件では、まず警察や検察が容疑者を取り調べる「捜査」が行われます。ここで重要なのが、逮捕された場合とされなかった場合で流れが異なることです。
1. 逮捕された場合
逮捕とは、警察が容疑者の身体を拘束することです。
逮捕された場合、法律で定められた時間制限があります。
時間的制限の概要
- 逮捕後48時間以内に検察官に送致(身柄を検察に引き渡す)
- 送致後24時間以内に検察官が勾留請求するか判断
- 勾留期間は原則10日、必要に応じて10日延長可能(最大20日間)
- 勾留中に起訴されるか、不起訴となるかが決定されます
具体例
- 10月1日 逮捕
- 10月3日 検察に送致(48時間以内)
- 10月4日 勾留請求 → 裁判所が勾留決定(原則10日間)
- 10月14日 勾留期限
- 10月24日 勾留延長(必要に応じて最大20日)
- この期間内に検察が起訴するか不起訴(釈放)を決定
逮捕された場合、最長で約23日以内に起訴・不起訴の判断が行われるのが一般的です。
2. 逮捕されなかった場合(在宅捜査)
在宅捜査とは、警察が自宅に訪問して捜査や取り調べを行う場合です。この場合、身体を拘束されないため、逮捕の時間制限は適用されません。
- 警察が必要に応じて任意で取り調べ
- 在宅のまま検察に送致される
- 検察は在宅のまま起訴か不起訴かを判断
- 在宅捜査では「時間制限」が厳密に定められていないため、場合によって数週間〜数か月かかることがあります
具体例
- 10月1日 在宅で取り調べ開始
- 10月15日 警察から検察へ書類送致
- 10月20日 検察が不起訴処分を決定
- この間、容疑者は自宅で生活可能
逮捕されない場合は、拘束されないため精神的な負担は少なく済みますが、捜査期間中は自由に行動できても、呼び出しに応じる義務があります。
起訴・不起訴の判断
- 起訴…裁判にかけられること
- 不起訴…証拠不十分や情状により裁判にかけられないこと
逮捕されている場合は勾留期間中に、在宅の場合は送致後に判断されるのが一般的です。
まとめ
- 逮捕された場合、48時間以内の送致 → 勾留最長20日 → 起訴・不起訴の判断が基本
- 在宅捜査の場合は、身体拘束されない代わりに期間は明確に決まっておらず、捜査状況による
- 起訴されるか不起訴になるかで、その後の裁判の有無が決まる
逮捕されるかどうかで捜査の時間的制限は大きく変わるため、法律の仕組みを理解しておくことが大切です。
大野