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ナイトタイムエコノミー(夜間経済)とは?
**ナイトタイムエコノミー(夜間経済)**とは、夕方から翌朝にかけての時間帯(おおよそ18時~翌6時)において経済活動が行われることで生まれる経済効果を指します。
これは、単に「夜の飲み会」や「深夜営業のコンビニ」だけでなく、音楽ライブ、ナイトマーケット、夜間観光、夜間イベント、24時間対応のサービスなど多岐にわたります。
欧米を中心に観光振興や地域活性化の文脈で導入され、日本でもインバウンド対策や都市再生の一環として注目されています。
なぜナイトタイムエコノミーが注目されているのか?
近年、ナイトタイムエコノミーが注目される理由は以下の通りです。
- インバウンド観光客のニーズ:訪日外国人旅行者の多くは、夜間も観光や食事、エンタメを楽しみたいと考えています。しかし、日本の多くの都市では20時〜22時以降に営業する施設が限られており、機会損失が発生しています。
- 都市の魅力向上:夜間も人の流れを生み出すことで、都市に活気を与え、犯罪抑止や治安維持にもつながります。
- 新たな雇用の創出:ナイトタイムエコノミーは、深夜営業を行う業種の人材需要を高め、雇用の幅を広げる効果もあります。
- 人口減少社会への対応:昼間だけでなく、夜間にも経済を動かすことで限られた人口でもより高い生産性を確保できます。
ナイトタイムエコノミーの具体的な例
1. 夜パフェ・夜カフェの人気
近年、「夜パフェ」や「夜カフェ」といった深夜帯に甘いものや軽食を楽しむスタイルがSNSを中心に流行しています。特に都市部では、おしゃれな空間で静かな時間を過ごせると女性客を中心に支持を集めています。
2. ナイトマーケット・夜市
地方都市や観光地では、夜市(ナイトマーケット)を開催し、地元グルメや手工芸品の販売を通じて観光客の滞在時間を延ばす取り組みが行われています。
例:大阪・天王寺の「てんしばナイトマーケット」、福岡の「中洲ジャズフェスティバル」など。
3. 夜間動物園・夜の水族館
動物たちの夜の姿を楽しめる「ナイトZOO」や、ライトアップされた館内を歩く「ナイトアクアリウム」は、家族連れやカップルに人気です。非日常感を演出できるコンテンツとして注目されています。
4. 深夜営業ジムやコワーキングスペース
24時間利用可能なフィットネスジムや、深夜でも作業可能なコワーキングスペースは、夜型生活者や副業ワーカーの強い味方となっています。
日本における課題と展望
日本ではナイトタイムエコノミーの発展が遅れているという指摘もあります。理由としては、治安への不安、公共交通機関の終電時間、住民の理解不足などが挙げられます。
しかし、観光庁や自治体では「夜間観光コンテンツの開発」や「夜間営業支援」などの施策も進んでおり、今後は地域の特色を活かした夜間経済が広がっていくと期待されています。
まとめ:夜間の可能性を広げるナイトタイムエコノミー
ナイトタイムエコノミーは、単なる深夜営業ではなく、地域の魅力を夜の時間帯にも活かす新しいまちづくりの視点です。観光客にとっても、地元住民にとっても、夜の時間を豊かに使える社会を目指して、多様なアイデアが生まれています。
今後も、地方都市や商店街、観光地、そして個人経営のお店などが、夜間経済にどのように取り組んでいくのかが注目されます。
大野