雇用契約を締結してその中で職務中に事故で損害を負った場合に損害賠償請求をすることができるかという話があります。
雇用契約を安全に履行できるようにするという使用者の債務があり、この債務を履行できなかったということになるので債務不履行に基づく損害賠償請求という形になります。
では、遺族は遺族固有の慰謝料を請求できるのでしょうか?遺族にも遺族固有の悲しみや損失があった訳ですのでこれが認められるかが問題となるわけですが、これは出来ないとされています。
理由としては、あくまで雇用規約という債権債務関係に基づいている上で発生した損害賠償請求なので、債権債務関係にない遺族には固有の損害賠償請求はできないというものになります。
不法行為を根拠としたらできる場合もあります(民法711条)。
行政書士 西本