このページをご覧になられている皆様は、ご自身のHP・WEBサイトをお持ちで、事業用・個人用にかかわらず、気になる点を払拭しておきたいとお考えの方だと思います。

  • サイトの内容が法律に違反していないかどうかを確認してもらいたい。
  • 利用規約やプライバシーポリシーの内容を確認してもらいたい。
  • 規約の確認もそうだが、サイト全体もチェックしてもらいたい。

このようなご要望があるのではないでしょうか。

ホームページを開設したときには、多くの方に認知をしてもらうためSEO対策を施し情報の量を増やされたかと思います。

SEO対策に専念しがちで、その内容まではきちんと確認していないということもあるのではないでしょうか。

嘘を記載するということはないかと思いますが、誇張して表現をしてしまう・広告を掲載してしまう(誇大広告)ということは起こりえます。

そのため、記載内容が法律に違反している可能性がないとは言い切りません。

法律に違反していると何らかの制裁を受け、ビジネスに支障をきたすおそれがあり、安心して事業を続けることができません。

そこで、弊社は皆様の会社の顔となっているHP・WEBサイトのコンプライアンス確認を行い、上記のご要望にお応えいたします。

ネットビジネスについて会議をしている画像

ネットビジネスで最低限抑えるべき法律

HP・WEBサイトを開設し、商品やサービスを販売・運営していくうえで、適用されうる法律としては、以下のものが想定されます。

  1. 景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)
  2. 特定商取引法
  3. 著作権法
  4. 意匠法
  5. 商標法
  6. 消費者契約法
  7. 不正競争防止法
  8. 個人情報保護法

当事務所では、著作権や特定商取引法に関連する業務を数多く取り扱ってきましたが、最近は景品表示法に関するご相談も多く寄せられております。

近年はネットショップが主流となり、誰でも簡単に出店・出品が可能となっています。

何気なく使っている商品の名前、商品説明の言い回し、値段の付け方、何らかの法律に違反している可能性はゼロではありません。

また、必要な項目に関して記載をしていない、虚偽、記載していても小さすぎて記載したとはいえないと判断される、など最低限抑えておくべきことが見逃されている場合もあります。

そもそも、販売している商品が誰かの権利を侵害している可能性もあります。

せっかくいい商品を提供していたとしても、横やりを入れられてしまってはビジネスに支障が生じます。

罰金や措置命令、受けなくてもいい制裁で会社のブランドに傷をつけることはありません。

事業者も安心していい商品を提供し、消費者も安心して商品を購入する、そのためにはWEBサイトの体裁のみだけではなく法律面からのチェックも欠かせません。

弊社では、事業者・消費者双方が安心して、WEBサイトを運営、利用できるよう、法律面からサポートをいたします。

本ページでは、景品表示法、特に不当な表示に関して、ご説明をさせていただきます。

ネットビジネスの法律規制について説明している画像

景品表示法とは

景品表示法は、第1条において以下のような目的規定を定めています。

この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

一言でいうと、一般消費者が適正に商品やサービスを選択できるようにするための法律です。

  • 不当な表示や過大な景品類の提供による顧客の誘引を防止
  • 一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を禁止
  • 一般消費者の利益を保護する

この法律では、①不当な表示と②過大な景品類の提供について規制がなされています。

こんな表示してませんか

  1. 期間限定価格
  2. お買い得商品
  3. 追加料金不要

期間限定でお得な価格で商品が提供されていると思ったのに、期間が経過しても同じ価格のまま。
お買い得商品が購入できるのは、有料会員だけなのにその表示がない。
追加料金がなく、その価格ならお得と思ったのに、追加料金を請求された。

不当な顧客誘引(表示)でお得感を示しておきながら、実際は表示と異なっている場合、それは景品表示法上の問題となるおそれがあります。

では、実際に景品表示法についてみていきましょう。

わざとではないは通用しない

裁判所の判決に以下のようなものがあります。

 景品表示法4条1項(注:現5条)に違反する不当表示行為すなわち違反行為については、不当表示行為すなわち違反行為があれば足り、それ以上に、そのことについて「不当表示を行った者」の故意・過失は要しない。

衣料品の小売業等を営む事業者による審決取消請求事件判決(東京高等裁判所判決平成20年5月23日)

不当な表示が規制される理由

まずは、景品表示法における表示の定義(第2条)について確認します。

☆表示
 顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に関する事項について行う広告その他の表示であって、内閣総理大臣が指定するもの、と定義されています。

すなわち、事業者が商品・サービスの内容、取引条件などについて行う広告等の表示を指します。

例えば、

  1. チラシやパンフレット
  2. テレビCMやWEBサイト、新聞広告
  3. パッケージやラベル
  4. 店内ディスプレイ
  5. 訪問販売や電話のセールストークなどが該当します。

広告は一般消費者にとって、商品やサービスを購入する際の重要な選択(判断)材料です。

いわば、広告を見て商品をサービスを購入しているといっても過言ではありません。

その広告が嘘である・誇大である・紛らわしいものであった場合、一般消費者は良いものだ、お得だと誤認してしまうおそれがあります。

そして、その広告を見て商品やサービスを購入したのであれば、一般消費者の合理的な選択・決定を阻害したということになります。

例えば、品質や価格について、正確に表示がなされないような場合です。
その広告を見て、購入を決めた一般消費者は適切な選択ができなかったことに対してクレームを会社や行政機関に入れます。

クレームが出るような広告を出すことが認められているとなると、一般消費者の利益を損なってしまうことになり、法の趣旨を貫徹できません。

そこで、行政機関は景品表示法に基づいて不当な表示を行っている企業に対して命令等を出すことになります。

不当な表示などについて規制している法律が景品表示法なのです。

事業者は提供する商品やサービスの取引について、以下のような表示をすることを禁止されています。

優良誤認表示(景品表示法第5条1号)

優良誤認表示は、商品・サービスの品質、規格その他の内容について実際よりも優良であると一般消費者に誤認させる表示として禁止されています。

☆ワードチェック
・品質
 原材料、純度、添加物、性能、鮮度、効果などを指します。

・規格
 国などが定めた規格、等級、基準などを指します。

・その他の内容
 原産地、有効期限、受賞の有無、製造方法などを指します。

  1. 実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
    例えば、カシミヤ100%と表示していたが、80%だったような場合。

  2. 競争事業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
    例えば、この時計は当社のみが販売していると表示していたが、競争業者も販売していた場合。

有利誤認表示(景品表示法第5条2号)

優良誤認表示は、商品・サービスの価格その他の取引条件についての不当表示に関するものです。

☆ワードチェック
・取引条件
 数量、アフターサービス、保証期間、支払い条件などを指します。

  1. 実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
    例えば、家電を特別価格5万円で提供、と表示しているが、実際は通常価格と変わらない場合。
  2. 競争事業者よりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
    例えば、他社商品の2倍の量、と表示しているが実際は他社商品と同程度の内容量しかない場合

その他(景品表示法第5条3号)

その他商品やサービスの取引に関する事項について一般消費者が誤認するおそれがあるものとして、以下の6つについて内閣総理大臣が指定しています。

  • 無果汁の清涼飲料水等についての表示
  • 商品の原作国に関する不当な表示
  • 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  • 不動産のおとり広告に関する表示
  • おとり広告に関する表示
  • 有料老人ホームに関する不当な表示

違反行為に対しての措置

景品表示法に違反する行為が行われていた場合、措置命令や課徴金納付命令が出されます。

措置命令は以下のようなことを命ずる行政処分です。

  1. 不当表示により一般消費者に与えた誤認表示の排除(違反行為の差し止め)、
  2. 再発防止策の実施、
  3. 一般消費者への周知
  4. 今後同じ違反行為を行わないようすること

課徴金納付命令は、課徴金を国庫に納付することを命ずる行政処分(景品表示法5条3号は除かれます)です。

消費者庁は、景品表示法に違反する行為が行われている疑いがある場合、調査を行います。
事業者への事情聴取や資料の収集などを行い、行政指導をする場合もあれば、弁明の機会を付与したうえで、措置命令・課徴金納付命令が出されます。

ネットビジネスについて法律規制を理解したうえで、会議をしている画像

医療関連広告にも注意

医療品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)の第66条でも嘘や誇大な広告に関して規制がなされています。

「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」と規定がなされています。

医療関係ですから、広告の対象者は医薬品の関係者かと思われるでしょうが、よく条文を見てみると、冒頭に「何人も」と規定されていることから、広告の発信者の主体は問わないことになります。

同2項では、

「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。」とも規定しており、医師が保証したと誤解されるおそれがある記述等についても禁止されています。

広告違反行為に対しては、措置命令、課徴金納付命令が出されます。

医療に従事する医師

医療行為に関する広告規制

医療法第6条の5第1項には、

「何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示行為(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。」

同2項には

「前項の規定する場合には、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を阻害することが内容、広告の内容及び方法が、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。」

  1. 他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと
  2. 誇大な広告をしないこと
  3. 公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと
  4. その他医療に関する適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で定める基準

広告できる内容としては同3項に規定があります。

  1. 医師又は歯科医師である旨
  2. 診療科名
  3. 当該病院又は診療所の名称、
    電話番号及び所在の場所を表示する事項
    当該病院又は診療所の管理者の氏名
  4. 診療日若しくは診療時間
    予約による診療の実施の有無
  5. 法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨
  6. 第5条の2第1項の認定を受けた医師である場合には、その旨
  7. 地域医療連携推進法人の参加病院等である場合には、その旨
  8. 入院施設の有無
    第7条第2項に規定する病床の種別ごとの数
    医師、歯科医師、薬剤師、看護師のその他の従業員の員数その他の当該病院又は診療所における、施設、設備又は従業員に関する事項
  9. 当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他の当該医療従事者に関する事項であって医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
  10. 患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項
  11. 紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項
  12. 診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、第6条の4第3項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項
  13. 当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)
  14. 当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
  15. その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

厳しい広告規制がなされているのは、医療は人の生命・身体にかかわるサービスであって、不当な広告による誘引により、不適当なサービスを受けた場合の被害が、他のサービスに比べ大きいためです。
また、医療行為は高度な専門性を持つものであることから、いろいろな文言を表示されても提供されるサービスの質を事前に判断することは困難であることも、その理由の一つとされています。

そのため、医療法第6条の5に記載されているもの以外は原則として広告が禁止されています。

WEBサイトのお困りごとは当事務所へご相談ください

ネットを使って宣伝がしたい、ネットショップを開設したい、とお考えの方、法律の規制などをわからないまま放置していると、予期せぬ摘発を受ける可能性があります。

SEO対策も大切ですが、法務面でのチェックもビジネスを続けていくには重要です。

あらぬところで嫌疑をかけられ、時間を取られる・予期せぬ摘発でブランド力を低下させてしまう前に、ぜひ当事務所へご相談ください。