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裁判員裁判にも例外がある?対象外となる事件や裁判官だけで審理されるケースを解説

日本では、重大な刑事事件について、国民が裁判に参加する「裁判員制度」が導入されています。しかし、「重大な事件なら必ず裁判員裁判になる」というわけではありません。

実は、法律上、裁判員裁判が行われないケースや、途中で裁判官だけの審理に切り替わる例外規定も設けられています。

今回は、裁判員裁判の例外について、できるだけ分かりやすく解説します。

目次

裁判員裁判とは

裁判員裁判とは、一般市民から選ばれた裁判員と裁判官が一緒に刑事事件を審理し、有罪・無罪や量刑について判断する制度です。

対象となるのは、

  • 殺人
  • 強盗致死傷
  • 放火
  • 傷害致死
  • 危険運転致死
  • 現住建造物等放火

など、法律で定められた重大事件です。

すべての刑事事件が対象になるわけではなく、比較的軽い事件は従来どおり裁判官のみで審理されます。

例外① そもそも対象事件ではない

最も分かりやすい例外です。

例えば、

  • 万引き
  • 詐欺
  • 横領
  • 名誉毀損
  • 器物損壊

など、多くの事件は裁判員裁判の対象ではありません。

重大事件に限定されているため、刑事裁判全体から見ると裁判員裁判の割合は決して多くありません。

例外② 公判前整理手続で対象外となる場合

事件によっては、公判前整理手続の段階で裁判員裁判を行わない形になる場合があります。

もっとも、これは事件が軽くなったからという理由ではなく、起訴内容の変更などにより、最終的に裁判員裁判対象事件ではなくなった場合などです。

例外③ 裁判員を選任できない場合

法律上は裁判員を選任できない事情が生じることがあります。

例えば、

  • 裁判員候補者が十分確保できない
  • 裁判員全員に辞退事由が生じた
  • 災害などにより裁判員を集めることが極めて困難

など、通常の手続を維持できない事情がある場合です。

もっとも、実際には候補者を追加して選任するなど様々な対応が取られるため、このようなケースは非常に稀です。

例外④ 裁判員に危険が及ぶおそれがある場合

裁判員制度では、市民が安心して参加できることが重要です。

そのため、

  • 組織的犯罪
  • 暴力団関係事件
  • テロ事件

などで、裁判員本人や家族の生命・身体・財産に重大な危険が生じるおそれがある場合には、裁判員裁判を行わない決定がされることがあります。

これは裁判員制度開始当初から設けられている重要な例外規定です。

例えば、

  • 裁判員への報復のおそれ
  • 身元が判明する危険
  • 威迫行為が予想される場合

などが考えられます。

例外⑤ 裁判途中で裁判員が交代・解任される場合

裁判は始まったものの、

  • 病気
  • 家族の事情
  • 災害
  • その他やむを得ない事情

により裁判員が続けられなくなることがあります。

この場合は、補充裁判員が選ばれていれば交代します。

補充裁判員もいない場合には、一定の場合に審理のやり直しとなることもあります。

「裁判官だけで判断する」ことはあるの?

あります。

法律上認められた例外に該当した場合には、裁判官だけで審理・判決を行うことがあります。

ただし、

「重大事件だから裁判員が邪魔」
「難しい事件だから裁判官だけでやろう」

という理由で自由に変更できるものではありません。

あくまで法律に定められた厳格な要件を満たした場合に限られます。

裁判員裁判が中止になることはある?

「中止」というよりは、

  • 裁判官のみで審理する決定
  • 裁判員裁判の対象外となる
  • 裁判のやり直し

といった形になることがあります。

制度自体が途中でなくなるわけではなく、法律に従って手続が変更されるというイメージです。

よくある誤解

「裁判員が全員『無罪』と言えば無罪になる」

必ずしもそうではありません。

評議では裁判官と裁判員が一緒に議論し、多数決で結論を決めます。

「危険事件は全部裁判官だけになる」

これも誤解です。

危険性があるだけでは足りず、裁判員やその家族の安全を著しく害する具体的なおそれが認められる場合に限って例外規定が適用されます。

実際には、多くの暴力団事件や重大事件でも裁判員裁判が実施されています。

まとめ

裁判員制度は、国民が司法に参加する重要な制度ですが、すべての事件で必ず裁判員裁判が行われるわけではありません。

例外規定が設けられているのは、制度を形だけ維持するためではなく、公正な裁判と裁判員の安全を確保するためです。

ポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 裁判員裁判の対象となるのは法律で定められた重大事件に限られる
  • 起訴内容の変更などにより対象外となる場合がある
  • 裁判員の選任が著しく困難な場合には例外が認められることがある
  • 裁判員やその家族に重大な危険が及ぶおそれがある場合には、裁判官のみで審理されることがある
  • 裁判開始後も、やむを得ない事情により裁判員の交代や手続の変更が行われる場合がある

裁判員制度には国民参加という理念と、適正な裁判を実現するための例外規定の双方が備わっています。例外は制度を弱めるものではなく、公正性や安全性を確保するための重要な仕組みといえるでしょう。

大野

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