憲法の勉強をしていると、西山事件というものが出てきます。

毎日新聞の西山記者が日米沖縄返還協定の密約について外務省の担当者をそそのかし機密情報を得たということで、国家公務員法違反で起訴された事件です。

憲法では報道の自由、取材の自由という箇所で学ぶかと思います。

報道の自由は憲法21条で保障されており、取材の自由も憲法21条の精神から十分尊重に値するものとされています。

しかしその手段・方法は無制限なのか、どこまでの手段・方法を用いて情報を得てもよいのか、という点で問題となっています。

取材の自由の限界についてです。

最高裁は、「真に報道の目的から出たものであり、その手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会通念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠く」としました。

つまり、報道の自由、取材の自由から情報を得ること自体はいいが、その方法は無制限ではなく、社会的に認められた手段・方法でなければならない、ということです。

大野