契約書を締結してもしていなくても、日本では口約束で契約は成立します(民法176条)。

ということは、契約内容通りのことをお互いがしないと、債務不履行(契約内容通りの事を債務といい、これをしないことは不履行と言います)となり、債務不履行について、やろうと思えばできたのに、怠慢でこれをしないような場合には、損害賠償請求をされることがあります。

もちろん損害賠償請求はしないといけないわけではありませんので、相手が許してくれたらされなくて済みます。

ところで損害賠償請求というと莫大な金額を請求されると思われている方がいます。

もちろん、そういう種類の契約もありますが、損害賠償請求は基本的に生じた損害を補填してもらうためのもので、儲かるわけではないということです。

いくら払えとあらかじめ契約で決めておくこともできるので、その分の損害賠償金を請求されることはありますが、そうでもない限り、生じた損害に対する補填分のみです。

例えば、定めれたら日に納車されなかった車。その日に車がなかったことで生じた損害分のみということですね。

この場合だと、その車で通勤する予定だったのであれば、通勤の交通費程度は損害として請求できますが、デートで自慢する予定だったその心の問題までは損害として認定するのは難しいでしょう。

特殊事情については相手方が知っているか、知ることができた(予見できた)ような場合には請求できることもありますが、なかなか難しいのが現状です。

このような、損害賠償請求ですが、契約書である程度まで、どういう場合にはどういう請求ができますよと定めることもできます。何も定めないと法律通りになるので、大きな取引などをされる場合には、きちんと取り決めておいた方がよいかもしれませんね。

行政書士 西本