裁判を起こす際、どこの裁判所に書類を提出するのか、という決まりがあります。
それが裁判管轄です。
民事訴訟事件については、以下のような決まりがあります。

まず、事物管轄と土地管轄に分かれます。

事物管轄とは、訴訟の目的の価格によって、書類を地方裁判所に提出するか、簡易裁判所に提出するかを決めているものです。

訴訟の目的の価格が140万円を超える場合は、地方裁判所。
140万円以下の場合は簡易裁判所

土地管轄とは、所在地が異なる同種の裁判所間でどこの裁判所が審判することができるかについての決まりです。

原則として、訴えは被告の普通裁判籍の所在地の裁判所が管轄裁判所となります。
 AさんがBさんを訴えるときは、Aさんが大阪、Bさんが東京に住んでいた場合、東京で訴えを提起することになるのが原則です。

例外は以下になります。
①財産権上の訴え
 義務履行地(支払いをすべき場所)にも裁判管轄があります。
②当事者間で管轄の合意がある場合
 合意した裁判所(第1審に限る)
③不法行為に関する訴え
 不法行為があった土地
④事務所又は営業所を有するものに対する訴えで、その事務所又は営業所に関する業務に関する訴え
 事務所又は営業所の所在地
⑤不動産に関する訴え
 不動産の所在地
⑥登記又は登録に関する訴え
 登記又は登録をすべき地
⑦手形又は小切手による金銭の支払いの請求を目的とする訴え
 手形又は小切手の支払い地
⑧相続権もしくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え
 相続開始の時における被相続人の普通裁判籍の所在地
⑨被告となるべき人が複数いる場合など、1つの訴えで複数の請求をする場合
 1つの請求に管轄権が生じていれば、本来その裁判所に管轄権のない他の請求についても管轄権が生じる場合がある

管轄が複数ある場合には、原告において選択することができます。

大野