民法711条では、生命侵害を被害者が負った場合にその近親者も固有の慰謝料請求ができるとあります。つまり固有に悲しんだのでその分の慰謝料請求ですね。では、これは生命侵害に限るのかが問題となります。

711条の趣旨は損害の発生及び加害行為と損害との間の因果関係の立証責任を軽減したことにあります。通常不法行為の場合には因果関係などの立証を被害者側がしなければなりません。しかし生命侵害という重大な損害の場合にその被害者の遺族が独自に精神的な損害を負っていることからこれを立証することを求めず、加害者に損害賠償責任を負わせたということです。

となりますと、この711条では特に生命に限定していると考えられていないため身体損害等で生命侵害に近い損害の場合には、請求が認められる考えられます。

行政書士 西本