犯罪の成立にはその人の行った行為(実行行為といいます)と結果(例えば死亡の結果)との間に因果関係が必要になります。

これはつまり、ある人が死んでいるという結果があり、これが誰かの手によって殺されたとした場合、では誰が殺したのかということを考えるために必要な要素となります。

因果関係は通説は危険の現実化といって条件関係(あれなければこれなし。つまり殴らなければ死んでいないといった論理関係がそこに存在することを条件関係といいます)があることを前提にして、ある行為(作為、不作為どちらか)の危険性が結果に現実化した場合には因果関係を認めるというものです。

例えば、人の心臓をナイフで刺すという危険な行為がありこれがなければ死亡という結果が生じなかった(死の結果)と言える場合で、ナイフで心臓を指すという危険な行為の結果、死亡という結果が現実化したといえるためその行為をした人は殺人罪となるというものです。

これはたとえば、高速道路であおり運転をして高速の真ん中で停めて、外に出て口論になった場合、その停められた人がちょうど後ろから来た車にひかれて死亡した場合など、実際にひいたのは後ろからきた車ですが、あおり運転がなければ、口論にならなかったわけです。高速道路で外に出ろというのは非常に危険な行為です。その結果死亡したということですから、あおり運転をした人は場合によっては殺人罪となるでしょう。

行政書士 西本