ハンムラビ法典には、「目には目を歯には歯を」という一説があります。
あるドラマでは「やられたらやり返す、倍返しだ」という人気なフレーズもありますが、復讐してやるという意味で用いられることが多いですね。
ただ、ハンムラビ法典では「やられたこと以上の復讐はしてはならない」と意味であるとするのが有力説であるようです。

しかし、大人なると「大人の対応」たるものが求められます。
たとえ意地悪なことをされたとしても、高圧的な態度をとられたとしても、罵られたとしても、多くの場合「された」側が我慢をしなければなりません。
反撃をしようものなら、「向こうのレベルに落ちてはならない」と怒られると思います。

同じレベルに落ちてはならないのは確かだと思います。
ただ、なんでもかんでも我慢をしなければならないのも違うと思います。
謝るべきことは謝る、違うことは違う、できないことはできない、というのが大人の対応だと思います。
自分の身は自分で守らなければなりませんし、誰かに迷惑をかけるわけにもいきませんから。

あらゆることを大人の対応をした結果、何か問題は解決したのでしょうか。
そのひと時だけ終わればいい、というのであればそれでいいかもしれませんが、対応した人のストレスは尋常じゃないと思いますし、何も問題は解決しないでしょう。

ただ、間違えてほしくないのは、ケンカをしろ・復讐をしろというわけではありません。
理不尽にはきちんと主張する・立ち向かおう、ということです。
日本人はあまり主張をしません。「和」を大切にしますから。
自分だけ我慢すれば・・・。なんて方も多いと思います。
それで、どれだけの方が傷ついたでしょう。
最悪の場合は・・・。

この考え方は、人によっては「子供っぽい」と怒られそうですね。
ただ、駄々をこねているわけではなく主張はしっかり行おうということです。
インターナショナルな時代となった今、いろんな方と渡り合うには「芯」をもった立ち居振る舞いが大切なのではないかと思うのです。

目には目を歯には歯を、やってしまった立場になるかもしれない方が自制心を働かせ、感情的にならずに主張を行うことができれば、相手方もスマートな対応ができると思います(不適切な対応を取られれば、それは怒っていいと思います)。

どちらもスマートな対応ができていることが「大人の対応」といいたいものです。

大野