子供であっても日常生活の中で法律行為を行っています。
お店でジュースを買うにしても、売買契約を締結していることになります。

ただ、成人と異なり子供の判断能力の未熟さから民法は未成年者を保護する規定を置いています。
その中の一つとして、法定代理人の同意を得ないで行った法律行為の取消し規定(民法5条)があります。
なお、取消ができない場合もありますが、今回は割愛させていただきます。

取消を行えるのは未成年者本人または法定代理人となります。
その効果は契約は初めから無効となります(民法121条但書)。
取り消されたことから、双方ともに法律の根拠なく利益を受けていることになります。
そのため、受けた利益は「不当利得」として返還しなくてはなりません(民法703条)。

しかし、子供(未成年者)の判断能力の未熟さを考慮して保護規定をあえておいている趣旨からして、不当利得返還の範囲を狭くしています。
その範囲は、「現存利益の返還」とされています(民法121条但書)。

言葉どおり、現に残っている利益(受けている利益)だけを返せばよいとされています。
ただし、生活費が浮いたなど当然支出すべきものを支出しなくても済んだ場合には現存利益ありとされます。
かわって、浪費などをした場合には現存利益はない(お金がなくなっているのに、返還を求めると返す手段として借金をするおそれがあり、それでは未成年者を保護した意味がいないため)とされます。

ごく簡単に述べましたが、未成年者を保護する必要性があると日本の民法は考えているということです。
未成年者が親御さんに無断で物を買ってきた・売ってきたという場合、親御さんはお子様のした行為を取り消せうることになります。
どうしたらよいか迷った場合、ぜひご相談ください。

未成年者と契約を締結し取消の主張をされているお店の方は、未成年者と契約を結ぶリスク管理が必要となります。
また、どの範囲が現存利益になるのか判断がつきにくいかと思います。
「未成年者の浪費の理由に納得できず、現存利益は残っているはずだ」という場合もあるかもしれません。
判断に迷われた方はぜひご相談ください。

大野