⑲でも解説を加えた通り、詐害行為取消権は今回の改正で大きく姿を変えたように見える。しかし実際には過去の判例理論が条文化したに過ぎない箇所が多く(すべてではない)、また条文そのものは具体的であるため容易に想像は出来ると考える。

以下では424条の2についての解説を行う。

まず詐害行為取消権という権利そのものの性質は、例えば、A(債権者)、B(債務者)がいた場合に、AからBにその債権を行使したら債権が回収できるのが通常である。しかし、Bが自ら何らかの法律行為をすることでB自身無資力となりこれをBが知ってした場合には、その法律行為をAが取り消すことが出来るとするものである。

これは民法の原則である私的自治から考えると行使できる場面は限定する必要がある。なぜなら、他人の権利を別の誰かが行使することは他人に対する過度な介入となる恐れがあるからである。

そこでBが何をしても、例えば買い物一つしてもBの財産に影響がある以上詐害行為となるかと言うとそれは常識的ではないだろう。そこで本条では詐害行為となる可能性のある法律行為のうち、Bが何らかの対価を得た場合には詐害行為取消権の対象となるかどうかが規定されている。

424条の2第1項では、債務者Bが自身が所有する不動産を譲渡した場合に、これが売却であればその売却代金を隠匿するつもりであった、無償供与、その他債権者Aを害することとなる処分をする恐れを現に生じさせる場合

2項ではBが何らかの物、権利を売却してその対価を隠匿する意思を有していた場合

3項では、Bと取引したC(受益者)その取り引き当時債務者Bが隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていた(受益者において詐害の意思について悪意)場合、

この3点をすべて備えれば、詐害行為取消権の対象となる。

西本