前半で、今年の行政書士試験の講評をしましたが、残りは記述式です。3問中最後の一問、問46です。これはどうなんでしょうか。確かに条文ですけど、民法537条ですか。第三者のためのにする契約。できますかね。覚えていますかね。

自信をもってここまで解答できる人がどこまでいたのか。

44問は、肩透かしのような問題ですが、行政手続法36条の3第1項、3項が題材になっていました。条文の文言に忠実に解答することが求められています。問題文にあがっていた消防法の条文も考慮に入れた解答する必要がありました。条文が思いつかない場合には厳しいかもしれませんが、気がついた方は出来たのではないでしょうか?45問目は民法の共有からの出題でした。これは問われていた内容も基礎的でしたから何かしら書けたのではないでしょうか。

総括すると、おそらく記述式の採点は甘くなるのではないでしょうか?若干難しかったので。

さて、では来年度以降の対策ですが、今年の講評をするにあたって今年受験した人から色々お話を聞きました。その中で多かったのが、この選択肢、テキストのどこを読めばいいのか?といったものでした。確かに今年は難しかった。難しかったんですけど、この考え方は少し危険と思います。と言うのは、テキストのどこに書いているのか?という問いは、すなわち、覚えて何とかしようという感覚を意味します。

しかし、法律系の資格試験では、覚えておいて何とかなるものもありますが、それだけで合格ラインは越えないようになっています。

その意味で言うと、今年の試験は確かに難易度が高いように思いますが、ある知識だけ覚えておいてもダメです。きちんと趣旨なり根本的なところなりを理解しておいて使いこなせるようになってください、という試験作成者からのメッセージのようにも読み取れます。

ということは、難易度はともかく法律系の試験としては良い問題と言うことも出来ます。実際に私がヒアリングした生徒の中にはきちんとできましたという人も多くいました。

さて、記憶に頼ることの危険性の話に戻ります。私の授業では、内容を理解されたら、たまに関連項目を抜き打ちで問題にしたりします。そうやってある知識を理解しておいて、その根本から考えると、見たことないような問題でも応用させてこうなるのではないか?といった感覚を持つのが大事です。

なぜこのように問題を作成しているかと言うと、法律は改正されるからです。民法の重要条文ですら来年は改正されています。

ということは、その時の法律を暗記していても実務では使えないわけです。それより、こういう法律があるんだから、おそらく見たことないけどこんな法律もあるはずですとか、あるとしたらこう書いているはずみたいな、ある種の予測を立てる能力こそ、実務上重要なのです。

来年以降受験を検討されている方は、単に暗記するのではなく、なぜその条文があるのか、どんな場面で使うのか、誰を保護した法律なのか、といった点に気を付けて学習してほしいと思います。

それから記述は必ず勉強してほしいと思います。確かに理想は記述抜きで180点以上取ることですが、最近の問題を見ていると現実的ではありません。記述抜きで160後半から170ラインに乗せれたら合格は見えてきます。是非頑張りましょう。

西本