デザイナーにとってのデザイン契約

~公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会 職能委員会 日本弁理士会意匠委員会 から引用~

〇契約の基礎

1 契約が目指すもの 契約の究極の目的は、デザイナーとクライアントである企業(発注者)とが、お互いの立場を尊重し、よりよいデザイン成果を生み出す土壌を形成することです。 現状においては、デザイナーが自分の権利を自覚して主張すること、そして自分の身を守る ことから始めなければならなりません。

2 契約とは 「契約」とは「約束」のことです。 「口約束」でも「契約」は成立します。しかし、口約束は「証拠」がないのでトラブルの元です。 そこで、約束した事項(合意事項)を書面にしたものが「契約書」です。 「契約書」というタイトルでなくとも、合意事項が記されていれば「契約書」です。 デザイン契約は、「無から有を作り出す作業」が取引の本質なので、「合意すべき事項」が多く、書面化しておかないとトラブルが発生します。

3 下請法について

デザイナーの仕事は「下請法」で保護されています。 「下請法は、下請代金の支払遅延等を防止することにより、親事業者の下請事業者に対す る取引を公正にし、下請事業者の利益を保護するために制定された法律」です。 例えば、下請事業者に責任がないのに、発注者が発注後に下請代金の額を減じることや、 下請事業者からの請求書が提出されないことを理由に、下請代金の支払日を遅らせることが禁止されています。(公正取引委員会HP)

4 契約書がないことによるトラブル(JIDA アンケート・2008 年より)

・予算が曖昧で仕事のクォリティーが落ちる

・対価の対象となる作業が不明確(プレゼン費用、予算以上の要求など)

・なかなか支払われない。作業後の値引き要請 ・追加費用の発生が認められない 撮影費、サンプル購入、出張費などの実費、コンセプトの変更

・作業の一方的な中止(確認への回答がない、ペンディング)

・知的財産の帰属

・他の用途への転用

5 見積書について

デザイナーから「契約書」を持ちかけることが難しい場合も多いでしょう。 「契約書」というタイトルでなくとも、当事者の「合意」を裏付ける「書面」を用意することが有効 です。例えば「見積書」を利用します。 「見積書」を提出し、「見積もりに基づいて発注する」と企業から連絡があれば、「見積書」の 内容で「契約」が成立したことになります。 「見積書」には可能な限り詳細に見積もり条件を記載します。 「デザイン制作一式」というような記載ではほとんど意味をなさないし、トラブルの元になりま す。 以下の事項は是非記載してください。

① テーマ ② 合計金額。税込みか税別か ③ 支払時期・方法 ④ 具体的な作業内容(作業の範囲、スケジュール、デザイン案の数) ⑤ 検収の有無。作業終了後のデザイン変更 ⑥ 不採用案の扱い ⑦ 知的財産権の扱い ⑧ 作業内容に対応させて作業ごとに金額を記載 ⑨ 提供を受けるデータがあればその内容 ⑩ 見積り外の費用が発生する可能性がある旨の記載

6 工程表について

「見積書」の付属資料として「工程表」を用意するとよいでしょう。 工程表において、作業スケジュール、ステップごとの提出物、確認事項、発生が予想される 外注費・出張費などを明記することにより、受任時の合意内容をいっそう明確化することが できます。

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